#93 「誤 解」

　やっと辞めてくれた。辞めた大臣閣下の任命者は、最後まで彼をかばいつづけたことでまたしても異常思想の持ち主であることを暴露したが、いずれ彼にふさわしい悲惨な末路をたどるだろう。

　それにしても、大臣閣下、いや、もう閣下ではなくなったのだが、かのおっさんの属する集団のお歴々は、口をそろえて「誤解を招くような発言だった」とおっしゃるが、あの発言からほかにどのような「真意」を汲み取れというのか。ワタシ程度の国語力ではあの発言をどのように曲解しても、原爆投下を容認しているという意味以外には解釈できないのだが。やはり彼らは「解釈」の達人のようだ。

　あの発言に対する全国のリアクションを「誤解」だと言い張るのならば、アホウドリたちめ、自ら墓穴を掘りやがった。
　さらにだ、「選挙のことを考えるとマイナスだと判断したので辞める」だって。ワタシもおっさんが使っているにちがいない「反省」という言葉が載っていない辞書がほしい。さぞ楽に生きられることだろう。

　それにしても、最後まで変わることがなかったあのへらへら顔。あのおっさんには確信犯などという言葉はもったいない。腹ぼてがにまた運動不足無知無自覚無慈悲無感覚的わがまま小僧の称号をお贈りさせていただきたい。しかるのちに、防衛省の外郭に自衛目的の糖尿予備軍でも創設して丁稚奉公雑巾がけからやりなおせばいい。いや、あの手この手で血税をしぼり取るのはお手のものなのだから、毎日雑巾をしぼるくらいでは懲りないか。

　おっさんが辞めたことを知ってすかっとしたのはほんの数秒、あの集団のこのような言辞によって今まで以上に腹がたってきたのはワタシだけではあるまい。あの集団のあのような感覚、態度、思想、どれを取っても良識ある市民のそれではない。
　後任の美人防衛大臣はクールビズの命名者だそうだが、判を押したように「誤解を招いた」とは、元環境大臣が聞いてあきれる。そんなことを言えば、中身は人のいのちも生き物のいのちもなんとも思わん鬼ばばあだと思われまっせ。あるいは「クールミズ」か。

　彼らの実態がますます日のもとに暴き出されつつある。やつらを選んだみなさん、選挙は幸い無記名投票なのだから、今度こそ、すくなくとも「ふつーの」人を探して一票を。正直で人の痛みと恥を知っていて一所懸命な人だったら、無能でもええじゃないか。

　はるばる東京まで抗議に出向いた田上長崎市長さん、まことにご苦労様でした。さすがに街中を覆う坂道で鍛えられただけあってフットワークが軽い。長崎は大事件、大雨つづきでたいへんですね。きょうも雨なのでせうか。
「アメリカに（原爆を落としたことを）謝罪させるべきだ」と吠えたどこかの党首さん、くれぐれも田上さんのまねをしてワシントンまでおしかけて行かないように。そんなことをする前にこちらがあやまるべき国はたくさんありまっせ。

　おしまい。