#437 マスク

#437　マスク

　５月１７日にガチョコン中止処理に高槻へ行ったとき、道行く人はまだほとんどマスクをしていないが、コンビニの店員はみんなしていた。帰りに立ち寄った京都のコンビニでもみんなマスクを着用していた。こういう業種は対応が早い。が、店員諸君は今後ますます仕事がやり辛くなるだろう。だって、客がみんなマスクをし始めたら、誰もがコンビニ強盗に見えてくるじゃないか。

　運転中は習慣的にサングラスをかける人は多い。その人が車を降りてコンビニに入るとき、サングラスをしたままマスクを付けて入店したら、レジの店員はぱっと身構え、店内の空気は凍り付く。みんながサングラスにマスクの人を凝視する。サングラスの人は一瞬何が起こったかわからない。が、すぐに気がつき、サングラスを取って「あ、どうも」とかなんとか言ってとりつくろう。「怪しい者ではありません」とかなんとか。

　逆に、マスクを付けた本当の強盗は、店員にも客にもスキができるので、仕事がやりやすくなる。
　が、そう簡単に強盗が成功するものではない。で、おまわりさんに追いつかれて組み伏せられた強盗が、おまわりさんに向かって叫ぶ。
「マスクを付けてくださいっ」

　ネットで取り寄せたマスクをウチに配達に来た運送屋のにいちゃんも、きっちりマスクを付けていた。運送業界では、神戸でインフル感染者が出るずっと前から、数ヶ月分のマスクを備蓄していたという。さすがだ。が、このように買い占める人々がいるからマスクが品薄になり、わざわざネットで取り寄せる羽目になる。その結果、運送屋はもうかる。なんだこりゃ。運送屋の陰謀とちがうか。

　テレビがラッシュ時の三宮や梅田の様子を映し出している。アナウンサーは「マスクを付けている人が目立ちます」と原稿を棒読みする。が、実際は目立つなどというものではない。９５％以上の人がマスクをしている。異様な光景だ。そりゃそうだろう。ラッシュ時の電車の中では、それこそみんなが濃厚接触者になってしまうもの。サラリーマンは感染したら出勤停止だ。会社にリストラの口実を与えかねない。

　先日高槻に出発するとき、ワタシは自分のマスクにマジックで大きく「中止」と書こうとして止められた。
「姐さん、止めないでおくんなさい。あっしゃぁ、もう、やぶれかぶれなんでさ」
「何言ってんのさ。そんなことしたタカツキにゃ、ちがった、アカツキにゃ、集まってくれたお仲間さんたちが恥をおかきだよ。ここはぐっとこらえておくれ」
「・・・ごもっともでございやすね。姐さん、男はつろうござんすね〜」アホか。

　マスクをしたままオカリナを吹くとどうなるか試してみた。小さく弱々しい音になる。相当強く吹かないと正しいピッチにならない。頭がくらくらしてくる。が、タンギングは、少々妙な音がして気になるがちゃんとできる。
　マスクをしたままで合奏を行なうときは、正しいピッチの維持は窒息死の恐れがある。では、伴奏を使わずに、顔を寄せ合ってひそひそと合奏するのだらふか。よからぬ密談のようだ。
　いや、オカリナを吹いている間は全身の細胞が活性化され免疫力は飛躍的に高まる、と偉い「センセイ」が言ってるから、マスクはいらないのだ。・・・このセンセイ、慎重なのかテキトーなのかよくわからんな。

　で、マスクを付けて演奏。アイルランド民謡柳の庭、ＳＣ管。くるし。タンギングの妙な音がよくわかる。
　↓

　おしまい。　
09.05.20 記　

薊

2009/05/21 (Thu) 時　事 TRACKBACK() COMMENT(0)