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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#113 拝 見

 揚琴的おかし悲しいお話はつづく。

 あれはいつのことだったか、ワタシのような不作法者が、京町家としてはたいへん格式が高いある旧家に呼んでいただいて揚琴を演奏したときのこと。それまで愛用していた美しい装飾の揚琴専用スタンドがこわれてしまったので、泣く泣くあまり上物ではないスタンドを新調して間もないころだった。

 このようなところに集まる方々は、日本の伝統文化に通じた人がほとんどで、その多くが着物姿だ。ワタシは何を着ていたか忘れたが、どうせ場違いな風体であったと思われる。

 茶道や華道の世界では、床の間の掛軸や茶器花器お花などをじっくりと鑑賞することが、訪問者の主人に対しての礼儀とされている。そしてその鑑賞の作法というものがある。
 たとえば掛軸を鑑賞するときは、床の間の前に正座して、三つ指ついて、下からなめるように仰ぎ見る。これを「拝見」のポーズと言う。そしてその後に、何かひとつコメントを述べることが求められる。
 開演前、会場となった旧家の大広間では、そこかしこの由緒ある備品などの前で「拝見」のポーズをする人が見られた。

 さても、終演後。ワタシが予想した事態が訪れた。その事態をふすまのすき間から見ていたワタシは、笑いをこらえつづけていた。
 数人の着物姿のご婦人が、ワタシの揚琴の前に正座して「拝見」のポーズをしておられる。ふだんは誰にも見えない揚琴の胴体裏側の粗雑な仕上げの裏板と、よく見ればはめこまれた装飾板は合板を切り抜いただけでしかもニスの塗りムラが目立つスタンドを超至近距離で見てしまって、やや困ったような顔つきで口々になにやらぶつぶつとコメントを述べておられる。それは入れ替わり立ち替わり、果てしなくつづいた。

 おしまい。 
大待宵草
大待宵草




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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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