#651 即 決

#651　即　決

　よろしければ、このページを見て下さい。
　きょう、たまたまこのページを見つけてしまって、なかなか複雑な想いが入り乱れたワタシ。このページを見たワタシが、どんなことを思い、何を考えたかをつづりたい。

　どこの誰のＣＤでも、中古市場に出される可能性はある。中古屋に並ぶ自分のＣＤを見て寂寥感に苛まれる運命にあるのは、あの誇り高きカラヤンもおんなじだ。もう死んだけど。が、このＣＤを作ったときはまだネットオークションというものは存在しなかったので、この事態は想定外だった。それだけに、ワタシにとってはなかなかインパクトがあった。

　が、このたびのオークション。入札開始価格を見られよ。「￥3800」だ。定価税込み￥2940のこのＣＤに、プレミア的評価を付けてくれている。
　正直ワタシの心の中では、中古で売り飛ばされようとしていることの寂しさよりも、このような価格を付けてもらったことのうれしさが勝った。
　この出品者さんはきっと、人には語れぬゆえあって、手放したくないＣＤを泣く泣く手放すことにしたに違いない。だからせめて、自分が抱いていた高い評価を価格に反映させようとしたのだろう、このＣＤならきっと自分の助けになってくれると考えたのだらふ、と想像力たくましいワタシ。
　が、この人の他の出品履歴を見てみた。と、そこにあったのは、数えきれないほどのＣＤの出品・販売経歴だったとさ。

　ところで、このたびワタシは考えた。演奏会の後などに「お前のＣＤがほしい」と声をかけていただくことが多い。が、過去に出したすべての揚琴メインのＣＤは最早廃盤。ただいま売り物が無い。手持ちの在庫もとっくのとうになくなった。で、そんなときのために、オークションで自分のＣＤを見つけたら買っておこうか、と。
　￥3800で買って￥2940で売るのは馬鹿馬鹿しいってか。そうだろか。そうだよな。

　もうひとつ考えた。誰かが入札するまで様子を見て、入札があれば競合をかけるという楽しみもあるな、と。入札者は、競合している相手がよもや演奏者自身だとは夢にも思うまい。どんどん値がつり上がっていったアカツキに目出たく落札した後で、もしワタシの正体を知ったらさぞや悔しがるだろうな。愉快、愉快。
　・・・って、人が悪すぎるか。

　あれ、なんだ、「即決価格」となってるな。つまらん。
　ん、でも、「値下げ交渉有り」ってか。こりゃいい。
　待てよ、んじゃ、￥200で売れちまうこともあり得るってことか。そりゃ辛うござりまするな。
「もう持ってるっ」
　まいどありがたふございまする。
「わしも『ソロヤンチン』をオークションに出そかと思っておったところじゃ」
　やめてよ。

　おしまい。　
10.07.27 記　

近所の双子ちゃんの乳母車。

2010/07/28 (Wed) 揚　琴 TRACKBACK() COMMENT(0)