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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#656 豊 穣

 前便で、コウノトリは田んぼの稲を踏むのでお百姓に目の敵にされて乱獲され、絶滅後に、コウノトリによる実害はなかったとわかったと書いた。これは当時の農民のバカさ加減を表しているエピソードのひとつだ。このコウノトリに対する謂れなき弾圧は、豊岡でも行なわれた。それがなぜ、豊岡だけが一転してコウノトリ保護へと動いたのか。

 兵庫県立コウノトリの郷公園は、コウノトリの飼育・繁殖・放鳥を手がけている。この7月13日、園長の増井光子さんが急逝された。増井さんは日本の女性獣医師の草分けであり、上野動物園で日本で初めてのパンダの人工繁殖の成功に尽力された方だ。コウノトリの郷公園のホームページに掲載されている増井さんの挨拶文を、少し長いが引用させていただく。

「将来、コウノトリを但馬の大空に再び蘇らせるためには、単に公園整備にとどまることなく、地域全体の環境づくりを推進していくことが不可欠です。折しも、地球規模の課題として環境問題が人々の関心を高め、物質的な豊かさから心の豊かさへと価値観が変化しつつある今日、コウノトリの野生復帰の実現によって得られる人と自然との共生できる地域環境は、真に人にとって、『豊かな自然』であり、文化であると考えます」 拍手っ、ハクシュッ、大拍手っ。

 ある地で、食物連鎖の頂点に立つ生き物(それは必ずしも一種だけとは限らんが)が生きていけるということは、その地の生態系が健全に保たれていることの明し家さんまだ。サンマを食べるクジラがたくさんいる海には、当然サンマやイワシがたくさんいて、サンマが餌にするプランクトンもたくさんいて、プランクトンが食べる微生物や微量栄養素が豊富にある。で、それらを育む海流や海底や洋上の環境が適切に保たれている。これがつまり、生態系が健全に保たれているということで、ざっくばらんに言えば「豊かである」ってことだ。
 豊岡の地の食物連鎖の頂点に立つコウノトリが生きてゆけるということは、豊岡が豊かな地であるってことだ・・・あれっ、名は体を表しているな。

 さて、「このコウノトリに対する謂れなき弾圧は、豊岡でも行なわれた。それがなぜ、豊岡だけが一転してコウノトリ保護へと動いたのか」答は一つではあるまい。が、増井さんの存在なくして、果たして豊岡は、コウノトリは、今現在の姿であり得たかどうか。

「天の時、地の利、人の和」という言葉がある。「天の時は地の利にはかなわない。地の利は人の和にはかなわない」との孟子の言葉だ。孟子はさらに、人の和には中心が必要だと続ける。中心になる人とは「道を得る者(正しい道を心得ている者)」だと言う。道を得る者は、自然に多くの援助が得られ、時には天下さえも従う、と。

 増井さんと、増井さんを直接間接に助けた人々、そして現在コウノトリの郷計画にたずさわるすべての人々は、「道を得る者」なのだとワタシは言いたい。いや、増井さんもまた、請われてあるいは縁あって豊岡の取り組みに関わられた人だ。コウノトリの郷計画の言い出しっぺはどこの誰なのか。ワタシは知らない。が、「人の和」無くしては成り立たない壮大な計画を立ち上げ、へんたいな情熱で実行しつづけておられる「道を得る」人々に、ワタシは最大限の敬意と憧憬の念を覚えずにいられない。そして、いずれはコウノトリの郷計画にこの国中が従い、天下が豊穣になった図が見える。

 豊岡で放たれたコウノトリの中には、すでに長野で暮らしていることが確認された個体もあるという。うらやましいな。ワタシが暮らす地域も、コウノトリに選ばれる土地でありたいものだ。

 おしまい。 
10.08.07 記 
飼育中のコウノトリ
コウノトリ

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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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