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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#659 妖 精

 休載中も、おもしろいことや不思議なことがいくつもあった。たとえば、夏の夜の不思議世界へのいざない。。。

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 ある猛暑の日、近所のKさんファミリーが遊びに来てくれた。裏の丘の上でバーベQなう、だ。
 西の空がほんのりと染まり始め、宴もたけなわとなった頃、三歳男児のYちゃんが突然主張を始めた。
「さっきね、ピアノのところにね、おじぞうさんがいたよ」
 真顔で何度も言う。
 気になる。Yちゃんに現場に案内してもらった。お姉ちゃんのSちゃんもいっしょだ。
「ほら、あそこ、あそこにおじぞうさんがいたっ」
 Yちゃんが指差したのは、ピアノの部屋の向かい側の座敷にある、仏壇だった。
「どんなお地蔵さんだったの」
「こーんな顔してた」
 両手の親指をほっぺに付けて両手を広げ、思いっきり舌を出してあっかんべーをしたまま、首を斜めにかしげた。
「お地蔵さんは、今もいるの」
「むこうがわにかくれちゃった」
 その日、各地で地蔵盆が執り行われていた。

 すっかり陽が落ちて、子どもたちの日焼けした顔をガスランタンの火が照らし出している。Yちゃんのお姉ちゃんで四年生のSちゃんが、妖精を見た話を始めた。
「いいなー。大人になるとね、妖精は見えなくなるんだよ」
 と、ワタシ。
「・・・・・」
「妖精、この辺にもいるかな」
「いるっ、たくさんいるっ。巴ださんと先生(よく知ったご婦人)は、オカリナとピアノできれいな音を出せるから、妖精の曲を作ったらいい。きっと妖精がいっぱい集まって来る」

 腹いっぱい、胸いっぱい、夢いっぱいの一夜で、それはよかった。

 おしまい。 
10.09.01 記 
一本だけ穫れたよ。
ズッキーニ
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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