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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#657 再 生

 何をやってもうまくいかないとき、些細な言葉に傷ついたとき、疲れ果ててしまったとき、人は簡単に心が折れそうになってしまう。命がかかっているわけでもなく、食べていけなくなるわけでもあるまいに、なんという体たらくだと自責するが、その場を脱することはできずにいる。が、そんなときであるのに、ふと目に飛び込んできたものに、無上の美を感じてしまうことがある。

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 いや、きっと、そんなときだからこそ、無上の美は開示されるのだ。折れそうになった心は、どこへ向かうエネルギーも失ってしまい、一瞬動きを止める。そのときにこそ、心が本来の「鏡」としての働きを取り戻し、この世のあるがままの姿を映し出す。
 あるがままの姿は、押し並べて美そのものであることだろう。そしてそれは、いつもそこに、ここに在り続けていたのだということを、鏡たり得た心だけが見いだす。同時に、心がくもり、さまよい続けていたがゆえに、美を映し出すことができなかったのだと気づく。

 真の姿は、すなわち美は、沈黙と共にある。沈黙なきところに、美は招来されない。
 そして沈黙の上に来たりた無上の美は、さらなる深き沈黙をもって、沈黙そのものを祝福する。

 からから照りがつづいた。数日ぶりに行ってみたマイ田んぼ。水は落ち、水田内も畦もどこもかしこも青草に覆われた姿は、さながら水切れが悪い耕作放棄地といった趣きだ。いや「不耕起」なのだから「耕作」の言葉はそもそも当てはまらないにしても、実のところ半ば放棄されてしまったかのごときマイ田んぼ。稲穂が付き始めた喜びはどこへやら。こんな姿にしてしまったいきさつを思うと、泥の中に突っ立てた両の足は急に重くなり、その場に立ち尽くしてしまった。

 そのとき、それまで目に入ってなかったものが突然視界に飛び込んできた。それは、一瞬でワタシを変え、世界を変えた。それは啓示であり、救いであり、深い慈悲だった。そしてそれら以前に、この上ない美であった。

 たった一輪の花のつぼみが持つ広大無辺の力は、時無き時の内に人を救い、すべてにあるべき姿を取らせる。ワタシは、小さくではあるが、生まれ変わったのやもしれない。この花のように。それはよかった。

 おしまい。 
10.08.08 記 
凝縮された啓示・救済・慈悲の色
蓮100808
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
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非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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