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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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「#786 【号 外】電 田」にコメントをいただいた。
再度よく考えてみる価値がある内容なので、しっかりとお答えしたいと思い、号外としてアップさせていただきまする。
「耕作放棄地へのソーラーパネル設置については、コンクリート土台を必要としない技術もある」
とのことだった。
地面を自然状態に保てるということだな。
資料として、農地(耕作放棄地かどうかは不明)にソーラーパネルを設置しているフランスのレ・メ(Les Mées)という町の現状についてのサイト(わかりやすい写真入り)を紹介していただいた。
それに対するワタシのお答、以下に、如何に。

拍手[4回]


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

ワタシは、ソーラーパネル設置には、
「舗装までしないまでも、大規模に整地をする必要が生じるだろう…で、削って、盛って、砂利を敷いたり、芝生を張ったり」
と書きました。
その上で、それでも農地全体の生態系にダメージを与えるとの考えを述べた所です。
が、それはひとまずさておき…

フランスのレ・メについてのサイトの引用から。
「パネルを設置した総面積は89エーカー(36万183平方メートル)におよぶ。東京ドーム7個分以上。(中略)この広大な土地から9000世帯分の電気が生みだされている」
この数字はへんたい参考になりました。
ちなみに、この面積で「昔の」四人家族が食べるお米750年分を作ることができます。
言い換えれば、四人家族750世帯が一生食っていけるお米を作ることができる面積の土地だということです。

(一世帯当たりのソーラー用地の面積を算出すると、約12坪になりました)
耕作放棄地へのソーラーパネル設置の問題は、この数字をどう考えるかが我々に問われているのだと思っています。

この数字をみなさんに紹介したいがために、この件をこうして本文で取り上げさせていただいた面もあります。
どうぞお許しください。
にしても、
「9000世帯分の電気が生みだされている」
などと書かれると、この土地だけで9000世帯が生きていけるみたいな錯覚を起こしそうですね。

さて、お知らせいただいたサイトの「ソーラー畑」の写真は、まさにワタシがイメージしていた通りの景観でした。
このようなソーラー畑となった土地の表土にもっとも近い環境で我々が知るものは、高速道路の法面です。
あのようなミミズ一匹棲めない土地は、残念ながら自然状態とは呼べないと思います。

だいいち、こんな風景の近くは、照り返しでむちゃくちゃ暑そうだと思いませんか?

ついでながら、電線は、雑草が触れるとそれがアースになって電気が地面に流出してしまいます。
ソーラーパネルもおそらく同様でしょう。
でなくとも、雑草が太陽光をさえぎらないように、常にきれいに除草しておく必要があります。
写真のような広大なソーラー畑をあのように草一本無い状態に保つ唯一の方法は、除草剤の散布です。
ゴルフ場ですら、いかに大量の除草剤を使っているか。
キャディーの人が夏でも顔まで布で覆っているのは除草剤の汚染から身を守るためであることはあまり知られてません。
それほど除草剤は有害、危険なんです。
そして除草剤は、雨水によって河川に流れ込みます。

また、記事には、
「農地にそのまま取り付けられているため、パネルの耐用年数である20年が経過したら草地に戻すことができる」
と、わざわざ太字で書かれていますが、これは意味不明ですね。
耐用年数とともに元の状態に戻すことを前提にソーラー畑を作るはずはないのですから。
加えて、20年間除草剤漬けになってきた土地を農地として再生するには、相当の年月が必要と思われます。
またはほぼムリ。
このような物言いはこの先この国でもきっと用いられると思いますが、こんな修辞に騙される農家や酪農家はいないことでせう。

「また、景観にも配慮して設置されているため、見た目も美しいと評判だ」
ワタシの美的感覚では、農村の中に突如こんな風景が現われる図を想うと、まさに異様です。
ゴッホの「種播く人」の端っこにソーラーパネルが描かれていたら変でしょ?
それに、日本でこの写真のようになだらかな風景になる耕作放棄地は、まずないのでは。

日本だったら、鳥除けも要るんじゃないかなー。
狸や穴熊の寝床になりそうでもある。

「自然エネルギーによる発電方法に加え、土地利用の方法や風景をも考慮したエコづくしなプロジェクトである」
エコの意味をただ人工物を用いないことに矮小化した典型的な一例だと思います。

てことで、耕作放棄地へのソーラーパネルの設置にはハンタイで、これでいいのだ。

 おしまい。 
11.06.28 記 

巴だ 




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追伸/お詫び
「四人家族750世帯が一生食っていけるお米を作ることができる面積の土地」
というくだり。
「750世帯が『一年』とちがうか」と考えそうで、それはその通りなのですが…。

つまり、お米は同じ土地でほぼ毎年作ることができるから、一年分作れる土地があれば、そこで一生食えるってことでありました。

その前に、
「ちなみに、この面積で「昔の」四人家族が食べるお米750年分を作ることができます」
などと書かれているから、ちょっと勘違いしやすいやもしれません。
ごめんなさい。

 巴だ
巴だ EDIT
at : 2011/06/28(Tue) 23:27:14
その後
コメントをくれた「とおりすがり」さん。
その後音沙汰がない。
別にいいけど。
「とおりすがり」なんだからな。
巴だ EDIT
at : 2011/07/02(Sat) 11:41:27
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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