揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#323 ギョロ目が見守っている
目をぎょろりとむいて話すと、いやがられる。たいていの人は、ぎょっとした顔をして、まゆをひそめ、手をにぎりしめる。奥ゆかしい人が多いこの国では、感情をあらわにするといやがられるようだ。が、常に目をむいて話す人もいる。
目をぎょろりとむいて話すと、いやがられる。たいていの人は、ぎょっとした顔をして、まゆをひそめ、手をにぎりしめる。奥ゆかしい人が多いこの国では、感情をあらわにするといやがられるようだ。が、常に目をむいて話す人もいる。
日本人の最近の芸術家の中で、世界でもっとも知られた人の中に、故岡本太郎画伯と指揮者の小沢征爾さんがいる。このおふたりに共通しているのは、何を言ってるのかわかりづらいことだ。が、言葉だけを聞いているとわからない話の内容も、常に付いてくる大きな身振り手振りを見ながら聞いていると、なんだかよくわかった気になってしまう。ここがおふたりの大芸術家たるゆえんなのだろう。
もうひとつの共通点が、常に目をむいて話されることだ。これは身振り手振りの一部であり、もっとも重要なアクションでもある。その目の奥には、エネルギーが渦巻いている。その目の光は、世界中を照らしそうな勢いだ。
おふたりを見ていると、芸術家というものは、作品だけで表現するものではないのだなと、つくづく思う。おふたりはもはや、存在が表現であり、作品なのだ。
岡本画伯が大阪万博のメインイベント会場となるお祭広場の総合プロデューサーを依頼されたとき、
「テーマは人類の進歩と調和?・・・う〜ん、いやだ」
と、いったんは断ったという。岡本画伯にとっては、依頼者が言う調和など少しも調和ではなかったのだ。
画伯にとっての調和とは、生きとし生けるものすべてが渾然一体となって生きる姿以外ではありえなかった。ただ人類にとってだけの調和など、なんの価値もなかった。進歩は言うに及ばず。
くり返し足を運ぶ主催者に、岡本画伯はとうとう折れた。
「ただし、何をするかわからんよ」
と言い足して。
万博会場の総合設計者である丹下健三氏は、お祭広場を会場の中央に配置した。その巨大な屋根は、設計段階でみんなの度肝を抜いた。が、それは岡本太郎にとっては、あまりに小さかった。
岡本太郎は、巨大な屋根の中央をぶち抜いて、そこに宇宙のすべての生き物の調和のシンボルである、高さ70mの太陽の塔を据えた。そこからは、宇宙に向けて祈りが発せられていた。
数日前、その太陽の塔の設計のプレゼンを岡本画伯自身が行なう様子の貴重な映像を見た。会議室にはおきまりの形でテーブルが置かれ、そこにずらりと座っているのは主催者側の役人たち。彼らを前にして、画伯はホワイトボードに自らの構想を描き表わし、全身を使って懸命にプレゼンを展開していた。
「これはすなわち単細胞であり・・・宇宙全体との対比が・・・この単細胞にこだわって・・・」
などの熱い言葉が断片的に聴き取れた。が、テーブルを囲む役人たちは、何やらやかましく話し合う者、メガネの手入れをする者、目を閉じている者など、だーれも聞いていない。が、画伯は意に介さず、自らの宇宙観を石頭どもに向けて説きつづけていた。
「気持ちが宇宙に向けて爆発するんだ。芸術は爆発だっ」
何度聞いても胸が熱くなる言葉だ。
太陽の塔は、今も万博跡地で世界を見守りつづけている。塔の表面には、みっつの太陽の顔のほかに、岡本太郎が目をむいて「爆発だっ」と叫んでいる顔が見えるようだ。ワタシはあの塔を、モニュメントとしてではなく、生きたシンボルとして、これからも見守り、見守られつづけることだろう。
もうひとつの共通点が、常に目をむいて話されることだ。これは身振り手振りの一部であり、もっとも重要なアクションでもある。その目の奥には、エネルギーが渦巻いている。その目の光は、世界中を照らしそうな勢いだ。
おふたりを見ていると、芸術家というものは、作品だけで表現するものではないのだなと、つくづく思う。おふたりはもはや、存在が表現であり、作品なのだ。
岡本画伯が大阪万博のメインイベント会場となるお祭広場の総合プロデューサーを依頼されたとき、
「テーマは人類の進歩と調和?・・・う〜ん、いやだ」
と、いったんは断ったという。岡本画伯にとっては、依頼者が言う調和など少しも調和ではなかったのだ。
画伯にとっての調和とは、生きとし生けるものすべてが渾然一体となって生きる姿以外ではありえなかった。ただ人類にとってだけの調和など、なんの価値もなかった。進歩は言うに及ばず。
くり返し足を運ぶ主催者に、岡本画伯はとうとう折れた。
「ただし、何をするかわからんよ」
と言い足して。
万博会場の総合設計者である丹下健三氏は、お祭広場を会場の中央に配置した。その巨大な屋根は、設計段階でみんなの度肝を抜いた。が、それは岡本太郎にとっては、あまりに小さかった。
岡本太郎は、巨大な屋根の中央をぶち抜いて、そこに宇宙のすべての生き物の調和のシンボルである、高さ70mの太陽の塔を据えた。そこからは、宇宙に向けて祈りが発せられていた。
数日前、その太陽の塔の設計のプレゼンを岡本画伯自身が行なう様子の貴重な映像を見た。会議室にはおきまりの形でテーブルが置かれ、そこにずらりと座っているのは主催者側の役人たち。彼らを前にして、画伯はホワイトボードに自らの構想を描き表わし、全身を使って懸命にプレゼンを展開していた。
「これはすなわち単細胞であり・・・宇宙全体との対比が・・・この単細胞にこだわって・・・」
などの熱い言葉が断片的に聴き取れた。が、テーブルを囲む役人たちは、何やらやかましく話し合う者、メガネの手入れをする者、目を閉じている者など、だーれも聞いていない。が、画伯は意に介さず、自らの宇宙観を石頭どもに向けて説きつづけていた。
「気持ちが宇宙に向けて爆発するんだ。芸術は爆発だっ」
何度聞いても胸が熱くなる言葉だ。
太陽の塔は、今も万博跡地で世界を見守りつづけている。塔の表面には、みっつの太陽の顔のほかに、岡本太郎が目をむいて「爆発だっ」と叫んでいる顔が見えるようだ。ワタシはあの塔を、モニュメントとしてではなく、生きたシンボルとして、これからも見守り、見守られつづけることだろう。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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