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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#148 鐘の音は世界の果てまで

 ようやく秋らしくなってきた。彼岸花が今は盛りと咲いている。静かな夕方、大方刈り取られたたんぼを見ていると、以前住んでいた山里を思い出す。さらに山深く静かな田園風景だったが、そこには毎夕、村の人が交替でつくお寺の鐘の音があった。ワタシの家はお寺からお墓と畑ひとつだけをへだてたところにあったので、毎日その音を楽しみにしていた。その澄んだ音色は、秋の夕方の風景にことのほかよく似合っていた。
 鐘の音はつく人の心を映し出す。そのうち、音だけを聞いて誰がついているのかだいたいわかるようになったものだった。

 そういえば、むかし、お寺の鐘つき男になりたいと思っていたことがあった。そのような職業が今どきあるのかどうかはわからないが。
 お寺の朝の鐘は何時につかれるのかよく知らないが、ワタシのイメージはこうだった。
 夜明けとともに起きて、顔を洗って両手を清め、おもむろに自分の寝所のすぐ横にある鐘楼へ向かう。鐘楼の掃除を済ませ、地面から鐘に一礼して、精神を統一し、ゆっくりと石段を上る。そして無我の境地で全身全霊を込めて鐘をつく・・・。
 朝夕のこの短い時間に、精神のピークを持ってくるように努める。そして自分のすべてを込めて鐘をつく。一音一音にすべてをかける。その音は、彼岸からの清めの音となって、世界の果てまで響いてゆく・・・。
 鐘をつく時間以外は、お寺の掃除をしたり、きわめてシンプルな身辺のあれこれに携わる。あとは楽器の練習をしたり、曲を作ったりする。

 こんな日々を送ることで、自分の出す音は磨きに磨かれてゆくのではないかと考えていたのだった。が、しょせんは俗世間にどっぷりと身を浸していては叶うはずもない夢だった。

 だから、今でもお寺の鐘をつく機会には、ずいぶんひきしまった心持ちとなる。でも今思えば、あの頃はずいぶん力んでいたな。無我の境地にはほど遠かったようだ。

 おしまい。 
女郎蜘蛛
女郎蜘蛛

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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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