忍者ブログ
揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
2024-041 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 prev 03 next 05
764  763  762  761  760  759  758  757  756  755  754 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今宵は祇園祭の宵山だ。
京都市を離れてはや十…何年だっけ。
祇園祭とはとんとご無沙汰だな。
八坂神社の氏子だったのに。
宵山と言えば、へんたいな人混みの中、サウナのような熱気に耐えるというイメージになってしまったな。
さて、思いがけずテレビで祇園祭にかかる素晴らしいお話を聞いたという話。

拍手[5回]


祇園祭は平安時代の疫病大流行に際し、諸国の怨霊退散を目的に朝廷が始めたとされる。
(その西暦869年貞観11年7月に、奇しくも貞観大地震が起きた)
以後、たびたびの戦火政変に耐え、町衆の手によって今日まで支えられてきた。

テレビのインタビューで素晴らしいお話をされたのは、祇園祭山鉾連合会の前会長のFさん。
インタビューは山鉾のひとつ、北観音山の側の町家の二階で、同山を照らす提灯の灯りを背景に行なわれた。

「明治になり政治体制が中央集権となって、町衆は住民自治を中央政府に取り上げられた。が、祭を行なう権利だけは死守した。祭は町衆の自治と信仰と誇りの象徴として守り続けた」

祇園祭の中心は、32基の山鉾だ。
9基の鉾と山のうち3基(だったと思う)には、各十数人の囃子方が乗り込み、いわゆる「コンチキチン」のお囃子を奏で続ける。

「山鉾は重要文化財だが、それより子どもたちの方が大事。神がいること、自分たちが神に創られたことを子どもの頃に教えこむ。それには(学校)教育ではだめ。山鉾に触れさせ肌で覚えさせる。そのためには子どもが重文の上によだれを落としても構わない」

ワタシは、山鉾巡行の先頭である長刀鉾が建つ町のすぐ東で生まれ育った。
この祭を執り行う八坂神社の氏子だったわけだ。
巡行の日は、小学校は朝礼だけでおしまい。
9時に四条通で動き始める鉾を観に、ともだちや家族と馳せ参じた。

長刀鉾は、この鉾だけに今もお稚児さんが乗ることが示すように、特別な鉾だ。
くじ改めはフリーパスで四条通を東進し、麸屋町通に張られたしめ縄を切る役目が与えられている。
この世とあの世の結界のしめ縄を切って、神の下(八坂神社)へと進むのだ。
ワタシの家は、その麸屋町通を四条から1ブロック足らず下がった(南下した)所にあった。

七つくらいの山鉾巡行の日のことだったか。
例年通りワタシは家族とともに、麸屋町四条に張られたしめ縄の下で、お稚児さんが刀でしめ縄を切るシーンを待ち構えていた。
いよいよしめ縄カット。
お稚児さんが舞うような所作の後で一振りした刀がしめ縄を切り落とした。
と、なんとそのしめ縄の一端は、頭上にだーーっと垂れ下がってきたかと思うと、ワタシの頭を直撃した。
「いてーーーーっ」
…いや、たいして痛くはなかったのだが、びっくりしたのであるな。
そこで、マイ母は言った。
「あれまぁ、あんたはきっとかしこくなるわ」
素直に喜んだワタシ。
皮肉を言ったつもりはみじんもなかった正直なマイ母。

前述の連合会長さんは、最後にこうおっしゃった。

「人生の99%は幻で後の1%に意味がある。信心をし、祭を行ない、歌い、踊ることが人生の意味」(大意)

明日17日は山鉾巡行だ。
どうしよう、観に行きたくなってきたぞ。
この気持ちは、ワタシの中で息づいている鉾町の心意気の発露なのか。
それとも、1%の意味を確かめようとしているのか。
それとも、日々祭に生きる思いがはや新たになったのか。
それとも、新たな祭の創造へと踏み出そうとしているのか。

 おしまい。 
11.07.16 記 




PR
NAME
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS
今年は 山鉾巡行
今年は 山鉾巡行、久しぶりにテレビ鑑賞。涼しくて、解説、コメントもあり、ええわぁ。お稚児さん しめ縄 ひと振りで切断出来 思わず(涙)と 同時に テレビに写ってた お稚児さんママも(涙)わかるわぁ。クライマックスは 終わったけど 末日まで続く。ガンバレ。縁あって ここんとこ 菊水鉾のチマキ 玄関先に。
ママチ EDIT
at : 2011/07/18(Mon) 09:52:51
Re:今年は 山鉾巡行
ママチさま

山鉾巡行、いつもは現地参加なのですね。
近頃は鉾からのちまき撒きもないそうなので、たまにはテレビ鑑賞もいいかも。
長刀、函谷、月、菊水、鶏、船・・・あの辺りの鉾町、なつかしいなぁ。
今年はテレビで良いお話を聞けたこともあって、特に懐かしさが増します。

 巴だ
at : 2011/07/18 09:58
TRACKBACK URL 
おしらせ
お問合せはホームページの "FAQ & Form" からしていただけます。
太 陽 暦
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
New Comments
※ 非公開を希望される方はその旨お書きください。
[09/10 水戸ふぢ]
[09/05 森下知子]
[07/17 Kitty]
[05/31 Kitty]
[04/17 Kitty]
[03/13 巴だ]
[12/08 栗美]
twitter
ブログ内検索
New Track Back
ようこそ
バーコード
"巴だ リョウヘイ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP@SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]