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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#680 同 病

「音楽は頭が良くないとできない」と、これまで何度も聞かされてきた。つい先日も耳にした。それらすべては、音楽関係の先生や演奏屋の言葉だった。では、自分は頭がいいので音楽もよくできると思っておられる方々のこのご説について、ワタシはどう思うか。結論は、NOだ。なぜか。

拍手[1回]


「音楽は頭が良くないとできない」との言辞には、少なくとも二つの真意が見え隠れする。
 ひとつは「世の人々は音楽なんてバカでもチョンでも『上手に』できるって思ってるみたいだけど、それは見当はずれだぞ」というココロ。
 一般人から見れば、歌の名人や演奏の名手の多くはへんたい楽しそうにやっていて、いかにも簡単そうにやってのけているように見える。それゆえなのだらふ、「あれはきっと、バカでもチョンでもできることやもしれん。いや、人前であんな風に振る舞えるなんて、バカかチョンにしかできないことにちがいない」こんな風に言ってはばからない人が、けっこう多いようだ。だから、それに対する反論として「音楽はバカやチョンには『上手に』できない。言い換えれば、頭が良くないとできない」と言ったバアイがあったんじゃないか。

 もうひとつは「同じくらいの才能の持ち主同士であれば、頭が良い方がより伸びる」というココロ。そりゃそうだ。そもそも、音楽に限らずどんな分野でも、頭の性能も才能のひとつだ。

 さてところが、よく吟味せずとも、「頭が良い」との言葉の意味はずいぶんバクゼンとしている。
 記憶力、論理的構成力、回転の速さがそこに含まれることには異論はない。が、それだけではあるまい。理解力、注意力、洞察力、判断力も頭の良さに数えられるだろう。またそれらに加えて、「頭の使い方をいかに知っているか」があげられよう。

 一般に、子どもよりも大人の方が理解力、注意力、洞察力、判断力が優れ、頭の使い方を知っている。それらは経験によって身に付く側面が大きいからだ。が、子どもにも音楽はできる。現に大人顔負けにデキル子どもも多い。
 だから、見ての通り、子どもは子どもなりに、ノタリンはノタリンなりに音楽をできるってことだ。

 なんだ、音楽とてほかのあれこれとなんにも変わらんじゃないかってか。その通り。なんにも変わらん。

 人のすべての行ないには知的な一面がある。で、現代という時代は、その知的な一面のさらに一面に、ワタシに言わせれば過当な価値を与えている。それゆえに、高度な理解力、記憶力、論理的構成力が求められる曲をことさらに偏重する向きがある。「音楽は頭が良くないとできない」との言葉は、そんな向きから、上記のような限定的なココロを与えられて発せられた、取るに足りない言葉に過ぎないとワタシは思う。

 何人も、音楽を狭い世界に閉じ込めることはできない。また、一部の人だけのものにはできない。が、一部の知的エリートに「音楽は頭が良くないとできない」と言われてめげた人が多くいる。今便は、ワタシがその人たちの心情をかんがみて、その人たちをかばおう、救おうとしているやうに見えるやもしれない。が、得てしてそのような人々が、音楽を狭い世界に閉じ込めようとするエリートを「盲目的に」高く評価し憧れているバアイがあることを、ワタシは知っている。

 おしまい。 
10.10.14 記 
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音楽は感性です
音楽は感性です。必要最低限の知性は必要ですが、芸術たるものそうたやすく誰もが達成域に到達できるものではありません。 CHOPIN,MOZARTやMICHAEL達の特殊な連中は別格でも、少なくとも彼らは特殊技脳(能)を持ち合わせていて、それはアスペルガー症候群やサバン症候群といった選ばれた特別な才能が稀代の天才を生み出す素になっていると強く確信します。天才はその天賦の才に努力と後天的環境が合致しないと生まれないものなのですが。でも結局音楽の才能がある人がとっても羨ましい事にかわりないのですが。
NONAME EDIT
at : 2010/11/30(Tue) 00:13:49
Re:音楽は感性です
NONAME さま

このたび、拍手機能からいただいたコメントにも対応する運びとなりました。
せっかくいただいたコメントに、お返事がすっかり遅くなり申し訳ありませんでした。

>音楽は感性です。

そうですね、感性が第一でしょう。
それを、知性が第一だと言われると、それは違うぜと言いたくなってしまいますね。

コメントを拝見し、アスペルガー症候群やサバン症候群について調べ直してみました。
人間の能力の不思議と驚異を感じます。

才能とは、能力の一種の「偏り」だと、ワタシは思ってます。
偏りが突出しているとき、そしてそれが人の営みにとって有用なときに、それを才能と呼ぶのだと。
天才については、偏りが何らかの原因である線を越えた時に、境界線が破断して、あるいはバイパスのようなものができて、そこから眠っていた能力が一気に流れ込んで来るというようなイメージも持ってます。
アスペルガー症候群などにも、このようなイメージを持ってしまいます。
特殊な能力(当人にとってはそれが当たり前なのでしょうけれど)と何らかの障害がセットになっている場合が多いことからも、ワタシはこのように想像します。
オルダスハックスリーの著作の「知覚の扉」に、こうしたことについて考えるためのヒントがありました。

で、天才も障害も偏りも、大きくくくれば「個性」ですよね。
「音楽は頭が良くないとできない」などとのたまって音楽を狭い世界に閉じ込めようとする人々は、個性を否定しているのだと思います。

巴だ 
at : 2010/11/30 01:12
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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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