揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#258 満月の夜にピアノが吠えた-2
ホトトギスが鳴き始めた。暑くなってウレシイ、ウレシイと歌っているように聞こえる。桐の花も暑さで盛りを越えた様子だ。こちとら人間さまは、この暑さと一昨日のキース・ジャレット(以下 K.J. )のコンサート体験の疲労がまだ残っていて、買い物に行くだけでも疲れる。きょうは「ウコンの◯」というドリンク剤を飲んで乗り切った。
ホトトギスが鳴き始めた。暑くなってウレシイ、ウレシイと歌っているように聞こえる。桐の花も暑さで盛りを越えた様子だ。こちとら人間さまは、この暑さと一昨日のキース・ジャレット(以下 K.J. )のコンサート体験の疲労がまだ残っていて、買い物に行くだけでも疲れる。きょうは「ウコンの◯」というドリンク剤を飲んで乗り切った。
さて、かつて K.J. はこう語った。
「わたしは(即興演奏をするとき)自分がまだじゅうぶんな深みに到達していないと感じると、5度(の和音)を弾き続ける。そうして、何かが聞こえてくるのをじっと待つんだ」
「わたしが誰かに即興演奏を教えるときには、始めに5度を弾いてもらう。すると、その人の即興の力がわかる」
これまでワタシは、K.J. がコンサートで5度から演奏を始めたところを聴いたことがなかったのだが、この夜初めてその現場を目の当たりにできた。第一部の4曲目だったか、それは始まった。単純なリズムに乗せられた5度の和音がゆったりと響き続ける。その響きとリズムの縦糸には、少しずつ横糸が編み込まれ、透明な響きをともなった複雑な構図が生まれ始めた。
ワタシは、5度の上に乗せられる最初の音に注目していた。それは、6度だった。そしてその次が2度(9度)。この時点では、いわゆる調性はまだ現れていないと言っていい。が、少し牧歌的な響きだと感じられた。調性をはっきりと現す3度が響くまでのこの行き方は、音響構造的にたいへん理にかなったものだとも言える。
ここまでのところで言えることは、ひとつには K.J. が5度を弾き始めたということは、彼自身が語ったように、彼がまだ十分な精神的深みにまで達していなかったことを示しているということだ。それはおそらく、前の曲の終末部が客席の咳払い(だっけか)によってテンションが下げられてしまったことと無関係ではない。
もうひとつは、5度の上に調性を表す音がなかなか現われるでもなく、かといって無調音楽へ進むでもなく、長く5度、6度、2度といった音響構造的に基本的な音を重ねるにとどまっていたということは、K.J. がかなり苦心していたと考えられるということだ。
この即興は、その後長3度の音が現れ、1度と4度の和音の繰り返しへと進んで、流れるようなフィンガータッチによってテンションは高まり、ワタシに大いに期待を抱かせたのだが、またしても客席の大きな物音によって一瞬にしてテンションが下がり、そのまま暗中模索のままで、糸が切れるようにふっと、ほんとうにふっと終わってしまった(この点については別便で)。
このフォークソングのような趣きの即興の後半は、彼としては不本意な演奏に終わったという印象だった。会場の雑音によって K.J. の音がにごった瞬間、我が事のように「痛い」と感じたのは、きっとワタシだけではなかっただろう。が、K.J. が5度から演奏を始めた創造の現場を共にできた歓びはたいへん大きかった。
「わたしは(即興演奏をするとき)自分がまだじゅうぶんな深みに到達していないと感じると、5度(の和音)を弾き続ける。そうして、何かが聞こえてくるのをじっと待つんだ」
「わたしが誰かに即興演奏を教えるときには、始めに5度を弾いてもらう。すると、その人の即興の力がわかる」
これまでワタシは、K.J. がコンサートで5度から演奏を始めたところを聴いたことがなかったのだが、この夜初めてその現場を目の当たりにできた。第一部の4曲目だったか、それは始まった。単純なリズムに乗せられた5度の和音がゆったりと響き続ける。その響きとリズムの縦糸には、少しずつ横糸が編み込まれ、透明な響きをともなった複雑な構図が生まれ始めた。
ワタシは、5度の上に乗せられる最初の音に注目していた。それは、6度だった。そしてその次が2度(9度)。この時点では、いわゆる調性はまだ現れていないと言っていい。が、少し牧歌的な響きだと感じられた。調性をはっきりと現す3度が響くまでのこの行き方は、音響構造的にたいへん理にかなったものだとも言える。
ここまでのところで言えることは、ひとつには K.J. が5度を弾き始めたということは、彼自身が語ったように、彼がまだ十分な精神的深みにまで達していなかったことを示しているということだ。それはおそらく、前の曲の終末部が客席の咳払い(だっけか)によってテンションが下げられてしまったことと無関係ではない。
もうひとつは、5度の上に調性を表す音がなかなか現われるでもなく、かといって無調音楽へ進むでもなく、長く5度、6度、2度といった音響構造的に基本的な音を重ねるにとどまっていたということは、K.J. がかなり苦心していたと考えられるということだ。
この即興は、その後長3度の音が現れ、1度と4度の和音の繰り返しへと進んで、流れるようなフィンガータッチによってテンションは高まり、ワタシに大いに期待を抱かせたのだが、またしても客席の大きな物音によって一瞬にしてテンションが下がり、そのまま暗中模索のままで、糸が切れるようにふっと、ほんとうにふっと終わってしまった(この点については別便で)。
このフォークソングのような趣きの即興の後半は、彼としては不本意な演奏に終わったという印象だった。会場の雑音によって K.J. の音がにごった瞬間、我が事のように「痛い」と感じたのは、きっとワタシだけではなかっただろう。が、K.J. が5度から演奏を始めた創造の現場を共にできた歓びはたいへん大きかった。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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