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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#484 うま味

 青い空に、うろこ雲が細長〜く連なって流れてゆく。「そろそろサンマが食いてぇなー」つまりはすっかり秋の空気だって言いたいのだが、もう少しロマンティックな連想ができないものだらふかと、我ながら情けなくなる。とまれ、実りの秋の恩恵その一をさっそくいただいた。

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大豆
 田んぼの畦に植えっぱなしにしておいた大豆が、少しだけ穫れた。さっそく種まき人であるよく知ったご婦人がゆでてくれた。おほほっ、なんて甘いんだ。そして肉が緻密だ。草ぼうぼうの中で元気に育った枝豆。売り物とはひと味ちがうぞ。

 草ぼうぼうの中で育った野菜が甘いのは、これまでの野菜作りの経験で実証済だ。草ぼうぼう、つまり自然に近い状態の中で水も、ろくに肥料ももらわずに育った野菜と、草一本ない畑で水と化学肥料をたっぷり施されて育った野菜とは何がちがうのか。答。それはミネラルなのだ。
 甘みは「うま味」に通じる。うま味とは、様々な味が複雑にからみあってかもし出すものだ。草を取り除いて単純な栄養素だけをやって育った作物は、ミネラルが不足して、味の微妙な「色彩」が損なわれてしまう。

 #482「穂が出たべー」に対して読者さんから質問が寄せられた。
「どうして草があると田が肥えるんやろ? 土の栄養をとってしまうんではないんけ? 」
 という、とてもシンプルかつ根源的な質問だった。質問への答はそのページを見ていただくとして、言葉を尽くすほど質問に適確に答えることのむずかしさを実感した。なんだかテストを受けたような気分にもなった。

 野菜と同じく、お米作りにも草は生かせる。
 草ぼうぼう、つまり自然状態の土の中には自然のサイクル、命の循環がある。で、耕さず、草をやたらと抜かないということは、土を自然に近い状態に保つということだ。で、そこに稲を植えるということはつまり、稲をミネラル豊かな自然のサイクルの中に置いてやるということだ。
 ミネラル豊かなだけではなく競争がきびしい自然のサイクルの中で育つ稲は、日光、水、栄養素を命がけで吸収しようとし、自らの潜在力を全開にする。その結果、強く育ちおいしいお米が実る・・・はずだっ。
 が、条件によっては他の植物に負けてしまうことがある。だから、自然のサイクルの中で作物を作るということは、その作物が他の植物に負けてしまわないように、手助けをしてやるだけでよいということになる。

 にしても、経験3割とただの知識3割で勝手な理論を作り上げ、あとの4割はカンと希望的観測だけでなんとかやっているマイ田んぼ。細々とつづられたこの記録に、真正面から向き合ってくれる人がいるなんて、新たな力が湧いてくるだよっ。

 二十数年前、街の暮らしを謳歌していたワタシは、作物を育てることになどなんの興味もなかった。むしろ、お百姓さんを軽く見ていた。そんなワタシを真実に導いたいくつかの出会いと何冊かの本があった。が、もっとも多くを教えてくれたのは、土そのもの、自然そのものだったように思う。

 土、水、植物の感触と匂いは人を変えうる。それらは、すべてがつながっていることを教えてくれる。草ぼうぼうの中で育つ作物のように、自然のサイクルの中に身を置くとき、うま味のある人間になれそうな気がしているのだが。

 おしまい。 
09.08.23 記 
稲の中に植えた蓮。明日にはいよいよ満開となるか。
蓮開花
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なんだか野菜作りと乾田での稲作をしてみたくなってしまいます
いままでの農業というか、ものづくりというか、もっと大きくいえば価値観に変化が・・・
それから、蓮の花とオカリナの共演は、きっと極楽を醸し出していたことと推測いたします
その場にカワセミとしておりたかった~
りn EDIT
at : 2009/08/26(Wed) 22:37:11
Re:無題
りn さま

ぜひ、草ぼうぼうの畑に野菜と稲を乱立させてください。
よその田んぼのようにたくさん穫ろうと思わなければ、ふるった土に種モミを播くだけで、天候によっては一度も水をやらなくても育つようです。
その証拠写真をもうすぐアップします。
陸稲の味は水稲よりも落ちるというけれど、自分で作ればなんでもおいしいにちがいない。

巴だ  
at : 2009/08/27 09:40
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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