揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#283 穴男、吠える!
証言3. 向かいのおばさん。「あれ、なんや」と同様に淡々と。
「二匹おる」
きのうのこと、ウチの敷地につづく斜面を、二匹の「あれは、アナグマや」が連れ立って上っていったそうだ。つがいにちがいない。では、穴男のほかに穴子がいるということになる。いや、穴子と書けば江戸前に限るとされる寿司ネタのことだ。むじなのむじ子としよう。
証言3. 向かいのおばさん。「あれ、なんや」と同様に淡々と。
「二匹おる」
きのうのこと、ウチの敷地につづく斜面を、二匹の「あれは、アナグマや」が連れ立って上っていったそうだ。つがいにちがいない。では、穴男のほかに穴子がいるということになる。いや、穴子と書けば江戸前に限るとされる寿司ネタのことだ。むじなのむじ子としよう。
きのうの草刈りは、たまたま穴男の通り道付近が予定されていた。そこは穴男のためにもうしばらく放っておいてやりたかったのだが、柿の木と野バラの木にヘクソカヅラやらヤマイモやらのツルがぐるぐる巻きになっているので、一日も早く刈らねばならなかったのだ。草を刈りながら「これにて穴男はしばし行動範囲を変えてしまうやも」と思った。
ところが夜の10:00頃のこと。
「ばきばきばきいっ」とそうぞうしい物音がした。先日来穴男が下りて来る斜面の方だ。そこには以前から枯れ枝を集めて置いていた。仕事の手を止めて、開け放した窓からそのあたりに懐中電灯の光を当ててみると、斜面のふもとで穴男がじっとしている。穴男は枯れ枝の山に乗っかったところが、枝が折れて転落した模様だ。やっぱりどんくさいヤツだ。
と、穴男はやおら地面をかぎ回り始めた。お、何か食べ始めた。口を大きく動かして、がしがしがしっと大きな音をたてて噛み砕いている。横顔に白い牙と歯ぐきが見え隠れする。今時分そんな固いものがあったっけ。何かの根っこだろうか。沢ガニだろうか。
お、お、こっちへ向かって歩き始めた。両の目が懐中電灯の光を反射してオレンジ色に光っている。距離5m。とうとう正面から顔を見ることができた。顔の中央の白いラインがはっきりと見て取れた。にしても、この仕事場からは音楽が流れているうえ懐中電灯で照らされているというのに、ワタシの存在をまるで認めていない。どこまでもどんくさいヤツだ。
と、そのとき、穴男が歩きながら短くひと声吠えた。
「うぉぅっ」
あのけっして大きくはない身体からは想像できないほどの野太い声だった。その声はワタシの腹に響いた。が、なんというか、おっさんくさい声でもあった。やっぱり、こいつは穴「男」にちがいない。
穴男はそのまま窓の下まで直進してくるかに見えたが、小さな丘の角を曲がって、盛りを過ぎたクローバーの茂みの中に静かに消えていった。
きょう、穴男が何かをかじっていた場所へ行ってみた。するとそこには、熟さないまま落ちた小さな柿のガクがたくさん落ちていた。なるほど、青くて固い柿をがしがしとかじっていたのか。今年も水が不足しているから、柿は熟さないままたくさん落ちるだろう。で、穴男はそれを楽しみに毎晩ここへやってくるというわけだ。こんな手頃なごちそうがあるのでは、少々草が刈られていても気にしないのは道理だ。
むじ子の登場を待ちたい。
ところが夜の10:00頃のこと。
「ばきばきばきいっ」とそうぞうしい物音がした。先日来穴男が下りて来る斜面の方だ。そこには以前から枯れ枝を集めて置いていた。仕事の手を止めて、開け放した窓からそのあたりに懐中電灯の光を当ててみると、斜面のふもとで穴男がじっとしている。穴男は枯れ枝の山に乗っかったところが、枝が折れて転落した模様だ。やっぱりどんくさいヤツだ。
と、穴男はやおら地面をかぎ回り始めた。お、何か食べ始めた。口を大きく動かして、がしがしがしっと大きな音をたてて噛み砕いている。横顔に白い牙と歯ぐきが見え隠れする。今時分そんな固いものがあったっけ。何かの根っこだろうか。沢ガニだろうか。
お、お、こっちへ向かって歩き始めた。両の目が懐中電灯の光を反射してオレンジ色に光っている。距離5m。とうとう正面から顔を見ることができた。顔の中央の白いラインがはっきりと見て取れた。にしても、この仕事場からは音楽が流れているうえ懐中電灯で照らされているというのに、ワタシの存在をまるで認めていない。どこまでもどんくさいヤツだ。
と、そのとき、穴男が歩きながら短くひと声吠えた。
「うぉぅっ」
あのけっして大きくはない身体からは想像できないほどの野太い声だった。その声はワタシの腹に響いた。が、なんというか、おっさんくさい声でもあった。やっぱり、こいつは穴「男」にちがいない。
穴男はそのまま窓の下まで直進してくるかに見えたが、小さな丘の角を曲がって、盛りを過ぎたクローバーの茂みの中に静かに消えていった。
きょう、穴男が何かをかじっていた場所へ行ってみた。するとそこには、熟さないまま落ちた小さな柿のガクがたくさん落ちていた。なるほど、青くて固い柿をがしがしとかじっていたのか。今年も水が不足しているから、柿は熟さないままたくさん落ちるだろう。で、穴男はそれを楽しみに毎晩ここへやってくるというわけだ。こんな手頃なごちそうがあるのでは、少々草が刈られていても気にしないのは道理だ。
むじ子の登場を待ちたい。
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管理人について
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巴だ リョウヘイ
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非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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