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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#288 海が呼んでいる

 今までに見た日本の海でいちばん美しかったのは、沖縄の海だ。飛行機の窓から沖縄本島が見えたとき、その周囲の抜けるようなコバルトブルーの海の美しさに目を見張った。それまで知っていた海の色は、深い青緑か灰色がかった浅いブルー、または雨の日の灰色の海、そして冬の日本海の漆黒の海だったから、そのときの感激といったらなかった。そして、沖縄の海に匹敵するくらい美しい海がすぐ近くにあったのを知ったのは、つい最近だった。

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 四年前の夏、初めて丹後半島を西へ走り、京都府の最北端の経ケ岬から兵庫県近くの海岸へ向かった。経ケ岬の東までは、それまで知っていた浅いブルーの海だった。ところが、経ケ岬を西に回り込んだとたんに色が変わった。そのコバルトブルーは、沖縄の海をほうふつとさせた。

 ある地点を境にこんなに劇的に海の色が変わるなどとは、想像もしていなかった。おまけに京都生まれなのにこんなに近くにこんなに美しい海があるのを知らなかったことが、残念でならなかった。
 小さいころから、海といえば若狭の海だった。夏の若狭の海の深い青緑は、海をワタシに文字通り「底知れぬもの」として印象づけていた。海の水が澄んでいるなどとは思いもよらなかったものだ。

 経ケ岬を越えると、柚志、丹後松島、平、竹野と、こじんまりしてはいるものの美しい海と海岸がつづく。その西は高級松葉蟹の水揚げで知られる間人(たいざ)だ。その先は鳴き砂で知られる琴引浜へとつづくが、不思議なことに、コバルトブルーの海はどうやら間人あたりまでのようなのだ。

 西丹後の海の色は、ワタシの海のイメージを大きく変えた。「底知れぬもの」から「いざなうもの」となったのだ。それまでの漠然とした恐怖はぬぐい去られ、身も心もゆだねてしまいたいと思うに至ってしまった。海の中で魚とたわむれ、海草をかき分け、イソギンチャクと話し、どこまでも泳いでいってみたいとの衝動にかられた。

 で、結局は、砂浜にすわって、ときどき波打ち際をぱちゃぱちゃと小波を踏んで歩くだけだったのだが。日常の疲れをこのときほど疎ましく感じたことはない。
 が、あれ以来まぶたに焼き付いている丹後の海を、この夏も訪れようと思っている。それは、命の源泉への回帰の旅でもあるにちがいない。・・・波打ち際が命の源泉だったら情けないが。

 おしまい。 
08.07.25 
丹後松島の海(04.08撮影)
丹後松島
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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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