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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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いったい、オカリナフェスティバル in 神戸の大舞台にたった一人で上がってオカリナを吹こうという方の心臓の構造は、ふつうのオカリナ人とは違っているのだらふか。
それとも、心臓の材質自体が異なっているのだらふか。
あるいは、何かが生えているだけなのだらふか。
いずれにしてもこの「独奏仕様的心臓」の発動性能には、加齢はまったく関係なさそうなのだ。

拍手[5回]




 神戸文化ホールのとなりの公園。
 毎年たくさんの出場者が練習している。
 ときどきベンチでセンセイが寝ている。
 
 


さて今年の神戸フェス、大合奏が多かった一方で独奏の人も目立ったように思った。
独奏の人は、たいてい上手だ。
で、世の中、上手な人はいくらでもいる。
その仲間入りをしたい人はその何倍もいる。
うるさくてかなわん。
が、ただ上手になることだけを目指し、独奏仕様的心臓の性能向上を図り、腕を披露したくて己一人で舞台に立つのではない人もおられる。

先日の神戸フェスの一日目が終わりに近づいた頃。
十五年前の第一回からずっと無伴奏ソロ演奏で出場しておられるご主人が登場された。
この場で聴かせていただくのはずいぶん久しぶりだったが、その演奏のお変わりぶりに驚いた。
もちろん年を重ねるごとに上達していかれのだが、音が固いなぁ、無駄な力がなかなか抜けないなぁという印象は変らなかった。
それが、このたびの変貌ぶりはどうだ。
なんというやわらかな音色。
それはやわらかな立ち姿、そしてその背景のやわらかな心から発しているように思われた。
もちろん無駄な力は心身からすっかり抜けている。

舞台のご主人に平常心をもたらしたのは独奏仕様的心臓のスペックの向上であること、そしてそれが無駄な力が抜けたことに密接な関係があることは想像できる。
どんな場面で何をするにつけても、無駄な力が抜けて悪いことは何ひとつない。
だからご主人の無駄な力が抜けた背景については、無駄な詮索無意味な想像はすまい、南無意味陀仏。
では、独奏仕様的心臓の性能は、果たしてこれで十分なのだろうか。

 ・・・・・

オカリナ演奏において無駄な力を抜く事は、ピッチと音色と運指の安定のための必須事項であることは、何度でも強調されていいと思う。
無駄な力は、前世からの呪縛のように指に、腕に、喉や唇や舌にまとわりつき、わたしに取り憑き葬り去らんばかりだ。
が、無駄な精進をやめた日から、それは少しずつ抜け始める。

無駄な精進こそ無駄な力の根源。
ご主人のプログラム掲載用メッセージもそれを裏付けていた。たぶん。
よって、無駄な力が入るのは前世の不始末とは何の関係もござらん。
「汝の今生の悟りの至らなさゆえのことである、喝」との音声がわたしの穢れた性根に響いてきそうだ。
されど、このご主人さんのようにいつしか悟りの道を聞いて、深い覚悟を胸にただひとり静かに舞台に進み礼拝の如くに演奏を始めることができたとしても、己の意に反して「力」が抜けてしまった場合、往々にして困った事が起こる。

さて、中音部が続く出だしの8小節ほどを、ご主人は無駄な力が抜けた、やわらかな心を解きほぐす音色で奏で続けられた。
そして、曲はいよいよ高音部にさしかかった。
と、高い do の音が、低い。
もう一回高い do の音、、、低い。
ああ、むずかしいなあ、無駄な力が抜けたら、必要な力まで抜けちゃった。

2コーラス目、少しずつ気合いが入りテンションが上がり、音色に輝きが増してきた。
高い do の音、出た。
もう一回高い do の音・・・出たっ。
最後は低いドの音・・・・・ううっ、、、高い~~~~~。
ああ、むずかしいなあ、気合いが入ったら無駄な力も入っちゃった。

どうやら、大舞台で平常心で吹くという境地に至るまでにスペックアップしてやわらかな音色の誕生に貢献したご主人の独奏仕様的心臓にして、パワーを必要な時だけに必要十分に供給するように制御できるようになるには、さらなるお修行の歳月が必要なのやもしれない。
今生で極楽浄土の音色を奏でんがため、共に悟りの道を歩み続けませう、摩訶般若腹満多。
来年も再会を楽しみにいたしております。
 おしまい。
 
15.09.05 記 
神戸文化ホールの近くにて。
おいしそうな店ほど定休日だったりする。


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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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