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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#185 マシュマロボーイ

 学校に「適応」できない子供のための学校、というものがある。そんな学校のクリスマス会に呼ばれてオカリナを演奏した。
 全校生徒は50人ほどで、小学生から中学生くらいの年齢の子が混在している。女子が3分の1ほど。全寮制で、子供たちは学校が決めたスケジュールにしたがって生活していると聞いていた。だから、ずいぶんきゅうくつそうな顔をした子供たちが多いのかなと思っていた。

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 なんだ、みんなふつうじゃないか。明るいし、ちゃんと目を見てはっきりとあいさつするし、ともだち同士でわいわいやっている。かえって行儀が良い子が多いくらいだ。

 オープニングナンバーとして選んだ「きよしこの夜」を、ソプラノC管でアカペラで吹くと、少し落ち着きがなかった会場が、1フレーズごとにすーっと静まっていった。曲が終わると、会場に感嘆の声が満ちた。
 こうなればしめたものだ、あとはぐいぐい会場を引き込んで・・・とはいかなかった。次第にうつらうつらする子がふえていった。ひとりでぶつぶつ言い出す子も現れた。
 が、中国の「燕になりたい」、そして最後の沖縄・宮古の「てぃんさぐぬ花」で盛り返し、寝ていた子も起きて聴いてくれた。

 終演後にひとりで校門の外へ出て一服しているとき、ふと校舎の方をふりかえると、二階からたくさんの子供たちが手をふっている。カメラを取り出して向けると、思い思いのポーズを取って応えてくれた。

「適応」とはなんだろう。現代社会のものさしで測れない子供たちを社会に適応できない子供だと決めつけてしまう大人たちがいる。もちろん、この子たちのことを何も知らない身でことさらに弁護するわけではないが、「適応」という言葉には抵抗を感じる。社会が子供の自然な成長に適応していないと考えるべき面も多々あるに違いない。

 帰り際にワタシに近寄って来て、天使のようなほほ笑みを浮かべ、マシュマロのような声で何度も「さよなら!さよなら!」と言ってくれた10才くらいの男の子がいた。このときワタシが感じたときめきは、かつて経験したことがない種類のものだった。年甲斐もなく胸がきゅんとなり、抱きしめたい、連れて帰りたいなどと思ってしまった。危険人物だ。握手したら、さっそく先生に「握手してもらった」と、マシュマロ声で報告していた。マシュマロボーイ君、また会おうね。

 おしまい。 
はい、ポーズ。
学校
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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