#179 笑う門にはオカリナ吹く人々

#179　笑う門にはオカリナ吹く人々

　12月8日、60人のオカリナで「第九」を吹いた。オカリナ倶楽部“夢見るガチョウ”の年に一度の公開合同発表会「山の音楽会」のフィナーレでのことだ。たいした練習もしてなかったが、そこは「みんなで吹けばこわくない」の精神で、迫力ある分厚い音色を楽しんだ。
　この発表会、毎回劇画と漫画が共存しているのがとてもよい。

　グループ別演奏のトップバッターは、会場を楽しませようと、凝った衣装と小物や鳴りものを使う綿密な計画を立ててがんばったが、みんな段取りに追われて終始顔がひきつっていた。

　その後の舞台での各グループへのインタビューでは珍答・名答が続出。

　演奏前、なぜか準備の手を止めてワタシのＭＣに聞き入っておられたご主人は「オカリナではなくホラを吹きに来たみたいでした」。

　初出場の若手は「あなたは生まれつきそんなに落ち着いているのですか？」との問いに対して「はい！」と即答。心臓から毛が飛び散った。

　自分たちが使っているオカリナのメーカー名を誰も知らないという不思議なグループがあることも発覚。

「指揮を見ることができませんでした」は確かにその通りで、その方がもっぱら見ておられたのは、楽譜と臨時指揮者のワタシの『目』だった。

　演奏終了後、上気した顔でタオルに包んだオカリナセットを小脇に抱えたご主人の姿は、まるでお風呂帰りの図。湯加減はいかがでしたか？

「身体の中に心臓がたくさんあるみたいでした」は名言。耐え難いほどに高まる緊張感をうまく表現していた。

　それはそうと、これから伴奏のＣＤを流して演奏するというのに、スピーカーを片付けてしまった大ばか者センセイがいた。が、それに気づかずに演奏を始めようとしていた人々もおめでたい。

　誰だってあがってしまって失敗したくない。センセイたるワタシもしてほしくない。いい気分で舞台を降りられるようにしてあげたい。
　リラックスするには笑うのがいちばんだ。そんなわけでセンセイが開演のあいさつ替わりに用意していた「どうすればあがらなくなるか」がテーマの落語は、時間の関係で割愛された。でも、くだらないはなしをがまんして聞いていたら、よけいにあがってしまったやもしれないな。

　おしまい。
07.12.10　 　

きょうは写真がな〜い！

2007/12/11 (Tue) オカリナ TRACKBACK() COMMENT(1)