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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#246 歩く陸の孤島

「あっ、あれはなんやっ」
 すっとんきょうな声を出したのは、知り合いのあるおじさん。日頃からにぎやかな方なので、こちらも少々のことでは驚かないが、おじさんの視線が上空へ向いていたので、なにごとかと思ってワタシも青空を見上げた。が、ワタシには、ぽつりぽつりと浮かぶ綿雲と、発生からやや時間がたって少し乱れ始めた飛行機雲が見えるだけだった。

「あれは・・・雲かっ。もしかしたら、あれが飛行機雲というものかっ。はじめて見たっ」
 誰ともなしに一気にまくしたてるおじさん。

 飛行機雲をはじめて見ただなんて、冗談を言ってるのかと思った。が、おじさんは真顔で空を見上げて、感慨にひたっておられる。ワタシは、ぽかんと口をあけて子供のように一心に空をあおぎ見るおじさんを見て、なんだか声をかけ辛くなってその場をはなれた。

 この方は根っから明るい方なので、いつも下ばかり見て歩いておられるわけではないし、その証拠に人一倍たくさん財布を拾ったという話は聞かない。それなのに、毎日のように空を横ぎる飛行機雲をなぜこれまで一度も見たことがなかったのだろう。が、それはどうでもいいことだ。大なり小なり、このような「未経験」はだれにでもあるのだと思う。

 誰がどんな視点に立ちどんな視線をたずさえて毎日を過ごしているのか、意外にわからないものなのやもしれない。自分が見ているものは誰にでも見えていると考えるのは性急なのだろう。日常の会話や付き合いの中の些末なことについてでも、他人の様々な表現をないがしろにしたり、自分をていねいに表現することをおこたったりしていると、人はたちまち視線が誰にも届かない、歩く陸の孤島になってしまうような気がする。

 飛行機雲、初めて見たのはいつのことだっけか。今でも、あの先端には人がいるということが、にわかには信じがたいが。

 おしまい。 
08.04.28 
黄色いチューリップ、日中の姿。
開いた黄色いチューリップ

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巴だ リョウヘイ
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揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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