揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#739 大 地
サン=テグジュペリは「人間の土地」の序文の冒頭に、こう書いている。「ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える」(堀口大學:訳)。今年もいよいよそれを実感できる季節が訪れた。やわらかな日ざし、少し湿っぽい早春の香り、ゆるりとして時に冷たく吹きすさぶ風。さあ、外に出て、大地と向き合おう。
サン=テグジュペリは「人間の土地」の序文の冒頭に、こう書いている。「ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える」(堀口大學:訳)。今年もいよいよそれを実感できる季節が訪れた。やわらかな日ざし、少し湿っぽい早春の香り、ゆるりとして時に冷たく吹きすさぶ風。さあ、外に出て、大地と向き合おう。
それにしても、サン=テグジュペリのこの言葉には、読む者を何気なく通り過ぎては行かせない主張が込められている。それはまるで、知恵の木から舞い落ちてくる短冊にしたためられた、覚者の言葉のようだ。だがその言葉は、百万の民を導く革命家の演説のように力強い。大地が教えるもの、それは自然についてではなく、人間についてだと言うのだ。
サン=テグジュペリは続ける。
「理由は、大地が人間に抵抗するがためだ。人間というのは、障害物に対して戦う場合に、はじめて実力を発揮するものなのだ」
障害、征服、歓喜、という道筋は、西洋世界に普遍の図式だ。それは人の学びと成長の図式でもある。が、サン=テグジュペリは、こう付け加える。
「もっとも障害物を征服するには、人間に、道具が必要だ。人間には、かんなが必要だったり、すきが必要だったりする。農夫は、耕作しているあいだに、いつかすこしずつ自然の秘密を探っている結果になるのだが、こうして引き出したものであればこそ、はじめてその真実その本然が、世界共通のものたりうるわけだ」
やはり、当然ながら、人は大地と対峙する時に、自然について学ぶことになることを、サン=テグジュペリは認めている。が、この言は、冒頭の力強い宣言をくつがえすものではなく、補うものとなっている。人は大地の抵抗に遭うとき、自らの力を総動員して、困難を乗り越える方法を探す。そこでは、困難の対象物を凝視するとともに、自らの能力を冷徹に計る作業が欠かせない。その戦いが、道具を生み出し、人は自らの一部となったあらゆる道具を駆使して、ついに困難を征服する。そして、最大の困難とは、他ならぬ自然であり大地である、と言うのだ。
これを、西洋人特有の征服願望だと言って一笑に付すなかれ。サン=テグジュペリの「宣言文」が指し示している、ごくシンプルで根源的な真理に目を留めねばならない。それは、いずれにせよぼくら人間は、最大の困難であると同時に最高の恩寵である大地と向き合わねばならない、ということだ。
てことで、この春ワタシが大地と向き合い最初にすべきとなった仕事は、大雪の重みで全壊した裏の丘の掘っ建て小屋を解体撤去することだった。
なんだか、いきなりあまりに後ろ向きの作業で、哀しくなるなー。まあ、長年風雪に耐えてきていつ壊れてもおかしくない姿だったから、いずれ避けられない引き倒すまたは切り倒す作業を、自然が無料で請け負ってくれたと考えることにした。壁も囲いもない、小屋とも呼べない三畳ばかりの掘建て小屋は、廃材置き場として使われていた。が、とうとう折れ曲がり、掛矢の打撃でバラバラにされ、バールでトタン屋根を引きはがされて、それ自体が廃材になってしまった。が、部材の七割は再利用できそうでそれはよかった。
サン=テグジュペリは続ける。
「理由は、大地が人間に抵抗するがためだ。人間というのは、障害物に対して戦う場合に、はじめて実力を発揮するものなのだ」
障害、征服、歓喜、という道筋は、西洋世界に普遍の図式だ。それは人の学びと成長の図式でもある。が、サン=テグジュペリは、こう付け加える。
「もっとも障害物を征服するには、人間に、道具が必要だ。人間には、かんなが必要だったり、すきが必要だったりする。農夫は、耕作しているあいだに、いつかすこしずつ自然の秘密を探っている結果になるのだが、こうして引き出したものであればこそ、はじめてその真実その本然が、世界共通のものたりうるわけだ」
やはり、当然ながら、人は大地と対峙する時に、自然について学ぶことになることを、サン=テグジュペリは認めている。が、この言は、冒頭の力強い宣言をくつがえすものではなく、補うものとなっている。人は大地の抵抗に遭うとき、自らの力を総動員して、困難を乗り越える方法を探す。そこでは、困難の対象物を凝視するとともに、自らの能力を冷徹に計る作業が欠かせない。その戦いが、道具を生み出し、人は自らの一部となったあらゆる道具を駆使して、ついに困難を征服する。そして、最大の困難とは、他ならぬ自然であり大地である、と言うのだ。
これを、西洋人特有の征服願望だと言って一笑に付すなかれ。サン=テグジュペリの「宣言文」が指し示している、ごくシンプルで根源的な真理に目を留めねばならない。それは、いずれにせよぼくら人間は、最大の困難であると同時に最高の恩寵である大地と向き合わねばならない、ということだ。
てことで、この春ワタシが大地と向き合い最初にすべきとなった仕事は、大雪の重みで全壊した裏の丘の掘っ建て小屋を解体撤去することだった。
なんだか、いきなりあまりに後ろ向きの作業で、哀しくなるなー。まあ、長年風雪に耐えてきていつ壊れてもおかしくない姿だったから、いずれ避けられない引き倒すまたは切り倒す作業を、自然が無料で請け負ってくれたと考えることにした。壁も囲いもない、小屋とも呼べない三畳ばかりの掘建て小屋は、廃材置き場として使われていた。が、とうとう折れ曲がり、掛矢の打撃でバラバラにされ、バールでトタン屋根を引きはがされて、それ自体が廃材になってしまった。が、部材の七割は再利用できそうでそれはよかった。
おしまい。
11.02.24 記
11.02.24 記
掘建て小屋を壊す前に写真を撮っておけばよかった。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
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オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
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