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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#737 みみコピ

 編曲するとき、ワタシは元になる曲の音源を手に入れて、それを聴き取って土台となる楽譜を作る。いわゆる「耳コピー」ないし「みみコピ」と言われている手法だ。楽譜を探してきて書き写すのではない。翻訳や公的引用と同じく、編曲や作譜をする際には原典を当たることが大切からだ。んで、きょうはこの「みみコピ」について。このところ、みみコピ漬けだったという。

拍手[4回]


 元曲の音源を手に入れるのにはさほど困らない。ほとんどの曲は YouTube で複数見つかる。で、その中の信頼できる音源からメロディーとコード(和音)を聴き取って書きとめ、構成を確かめ、作譜作業にかかる。作譜ソフトの五線譜にそれらを入力し、多くはハモリや伴奏を付ける。その際、調や和音や構成を変えてしまうことも多い。

 曲によって手間はかなり異なってくる。短い曲が簡単とは限らない。微妙な歌い回しや複雑なコードを聴き取るとき、同じ箇所を何度も何度も何度も何度も何度も聴いて音符をすくい上げる。「オタマジャクシすくい」だ。

 メロディーを作っている一個一個の音を聴き取るとき、耳と脳はふたつの作業を同時に行なっている。すなわち、異なる音を区別する(識別。音が鳴っているかどうかも含めた認識作用)、音の高低や強弱や音色を聴き分ける(弁別)だ。
 さらに、それらを楽器で演奏したり楽譜に起こす場合、音の高低などを具体的に表現する(評価。「ド」「ピアノの音」などの区別)作業が加わる。
 いわゆる「みみコピ」には、これらのみっつの作業が必要になる。

「みみコピってどんな風にするのん」と言う人がワタシの回りにも多いんだけど、むずかしく考えることはない。つまりみみコピとは、「タラリラリ」と鳴った音をその通り「タラリラリ」と聴き取り、それを「ドレミレミ」と表現する作業のことだ。だから「タラリラリ」と聴き、そのまま、つまり聴いた通りの音の高さ、リズムで「タラリラリ」と歌えれば、8割方できたと言っていい。
 で、それを楽器で演奏したり楽譜にしたりする際に、少しの理論が必要になる。と言っても、聴き取った音を楽器や楽譜に置き換えるための音階と音程についての最低限の知識さえあれば事足りる。それも、体系的な理論である必要はない。自己流の、半分感覚的な「理屈」だけでも、かなりのことができる。

 みみコピ上達の第一歩は、けっしてあきらめないことだと思う。執念を燃やし、粘りに粘り、十回聴いてわからなければ、もう十回聴いてみる。すると、だんだん推理が働くようになってくる。

 中学生の頃からずっと、無数のみみコピをやってきたが、実は近頃、以前は簡単に聴き取れた和音がなかなか聴き取れなくなってきているような気がしていた。歳か。が、どうやらそれは杞憂のようだ。ワタシが聴き取りにくいと感じていた曲は、実はそれほどワタシの関心を引いていなかった曲だったのだ。と言うのは、仕事だからと仕方なく取り組んでいた上になかなか音を聴き取れなかった曲が、気に入ってしまってからはみみコピが急激にはかどるようになったことが何度もあったからなのだ。
 練習もみみコピも、能率アップのための第一は、いかに関心を高めるかであるようだと思うけふこのごろ、だとさ。

 おしまい。 
11.02.20 記 
きょうのみみコピの成果。
下段はワタシが付けたハモリ。
楽譜

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管理人について

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
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自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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