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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#726 勝負師

 サッカーアジア杯準決勝。延長戦終了間際に日本が韓国に同点に追いつかれPK戦となったとき、精神的優位性は、韓国8:日本2くらいであったと思う。が、それをひっくり返して日本は勝利した。にわか解説者のワタシは、PK戦には三つの特筆すべき勝因があったと見た。そしてそこには、人間という存在の奥行きが鮮やかに描き出されていた。

 PK戦の先攻は日本。第一キッカーは本田圭祐。本田は、延長前半7分に日本が得たPKを打って失敗している。失敗の記憶は、足と心を萎縮させる。さらに第一キッカーとしての重圧も加わる。が、本田はそれらを跳ね返してPKを決めた。これにより、精神的優位性を一気に五分に持ち込んだと言える。これがPK戦の第一の勝因。

 つづく韓国のPKは、横っ跳びした日本のGK川島の両手に阻まれた。川島の燃えるような気魄と冷静な読みは、日本を決定的に優位に立たせた。これが第二の勝因。

 さて、この試合で一度PKを失敗している本田に、大きな重圧がかかる第一キッカーを任せたザックことザッケローニ監督の決断に、ワタシはしびれた。本田は日本の攻撃の要だ。それゆえに、後が無い大一番を決するこのPK戦のメンバーからはずされることはあり得ない。が、本田を何番目に持ってくるかという問題は残る。
 後で知ったのだが、監督はPK戦の選手と蹴る順番をあらかじめ決めていたそうだ。が、状況に応じてその場で変更されることは当然あり得る。
 ザックはこう考えたにちがいない。一度失敗した本田を精神的に負担が少ない順番に持っていっても、本田の成功率は回復すまい。むしろ、順番を下げられたことで本田のプライドが傷つき、成功率をいっそう下げる可能性もある。それよりも、本田をとことん信頼し、その信頼心を示してみせる方が、本田の力、引いてはチームの力を引き出すにちがいない。それに本田がどの順番で打つにしても、中心選手である彼がはずせばそれはほとんどチームの敗北を意味する。逆に、彼が決めればチームは勢いづく。では、本田には彼にふさわしい仕事を任そう・・・。
 ザックは、チームの命運を本田に託した。すべてのカードを初手に賭けたのだ。そしてそうすることで、自らの覚悟と選手たちに対する信頼を全員に示した。

 ザックのこの決断を見て、テレビで解説をしていたセルジオ越後が思わずうなった。
「勝負師ですねー」
 深くうなずいたワタシ。イタリア人・ザックの顔には、まさしくシチリア島のゴッドファーザーの風格が漂っていた。

 本田はザックの信頼に応え、自らに打ち克ち、鮮やかにシュートを決めた。その結果はつづく韓国のPKを阻んだ川島の好守にもつながったはずだ。それゆえに、このザックの決断こそが、隠された第三の勝因だというのがワタシの見解。ワタシは、ザックの気魄と覚悟が韓国チームをして震撼させ、彼らのその後の躊躇とミスを招いたのではないかとさえ想像してしまう。
           
 人間は機械ではない。確率や過去のデータだけでは計ることができない存在だ。この複雑で繊細で要するに極めて扱いにくい存在を深く理解し、ここ一番で最高の洞察を働かせ、捨て身の決断をし、見事に結果に結びつけたザック。勝利の瞬間のザックのクールで堂々たる物腰にワタシは、久しぶりに男の中の男を見た思いがした。ザッケローニという卓越した「勝負師」を監督に得た日本代表チーム。つづく1月29日の決勝の見どころは勝敗ではない。「どんな勝ち方をするか」だ。

 おしまい。 
11.01.26 記 
今夜の雪
今夜の雪

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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
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