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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#723 哀歌/愛歌

 アマポーラという歌がある。スペイン語で「ひなげしの花」のことだ。発表当時は歌詞がなかったそうだが、その後歌詞が付けられ、世界中でいろんな人が演奏し、歌っている。で、女性をひなげしの花に見立てたシンプルなラブソングだが、明るく軽やかな曲想なのに、なぜか深い哀しみまでが表現されているように感ずるのはワタシだけではないと思う。

 哀しみ、と書いたが、それはこの歌詞に表されている、恋が叶わないゆえの素朴な哀しみではない。また、それ以外の何か原因があっての哀しみですらない。歌詞とも曲想とも一見相容れない深層の哀しみに、この曲は触れてくる。その哀しみは例えば、過ぎ去った時が二度と戻ることはないことを想うときの哀しみに似ている。それは、時というものの再現不可能性に触れたゆえの哀しみなのだ。

 時が戻ることがないことは、誰もが観念として知っている。それは当たり前すぎて、改めて検証したり味わったりすることはない。が、過去の中に埋もれていたある感情が思いがけず甦ったとき、戸惑いにも似た心持ちになることがある。その戸惑いとは、過去の記憶に浸る甘美さの抗いがたい誘惑を自覚したがゆえの戸惑いであり、抵抗なのだと言える。そして、いざ戸惑いを振り払って誘惑に身をゆだねてみたそのとき、人は時というものが二度と戻ることがないことを、どうしようもなく実感する。

 さて、アマポーラが想起させる哀しみは、安らぎでもある。その安らぎは、過去や現実には存在しない場所を想うことで得られる安らぎと同種のように想う。それゆえに、その安らぎ自体が哀しみなのだ。そしてその哀しみは、人間が様々な限界を持った存在であるがゆえの哀しみだと言えそうな気がする。
 が、アマポーラが胸を打つのは、哀しみが表現されているからだけではない。その根底に、人が人であるが故の哀しみを包み込む深い愛を感じるからなのだ。

 てなことを、アマポーラをオカリナ4部合奏に編曲していて考えた。以前から3部合奏として編曲されていたのだが、このたび4部のバージョンを作成した。が、編曲という作業は、感情表現ではない。編曲の役割は、感情表現の場のセッティングをすることでそれはよかった。

「それにしても寒おすなぁ。そうや、きょうは大寒でしたなぁ」
 ・・・アマポーラをお好きだった京都の堀宗凡先生の声が聞こえてきそうだ。

 おしまい。 
11.01.20 記 
京都府北東部の山里の生徒さんが送ってくれた数日前の写真。
芦生

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巴だ リョウヘイ
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演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
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