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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#192 流行り病い

「ふ〜む、いい朝だぜ。きょうも“げんのう”ふるう腕が鳴るぜ」
「棟梁、おはようございます」
「おっ、為吉、ずいぶんはえぇじゃねえか」
「仕事始めですから」
「気合いがへえってるのはいいが、力んじまって てめえの指ぶったたくんじゃねえぞ。んじゃ、一週間も現場を放ったらかしだったんだ、掃除から始めっか」

「すんでおります」
「おっ、気が利くじゃねえか。んじゃ、釘の整理でもすっか」
「すんでおります」
「なにっ、ますます気が利くねえ。んじゃあ、さっそくとっかかるか。きょうはどっからだっけな」
「奥の間の鴨居のカンナかけからです」
「おう、そうか、そうか。そうだったな。んじゃ、鴨居用の材を持ってきな」
「そこに」
「おうおう、ったく、どうしたってんでえ、この段取りの良さはよ。年明けて心を入れ替えたって寸法かい・・・おりょっ、なんでえなんでえ、このカンナ、ちっとも切れやしねえ。いいか、為吉、いくら段取りが良くってもな、肝心の道具の手入れができてなけりゃなんにもならねえんだよ。やっぱしおめえはまだまだ・・・」
「棟梁、それはカンナじゃなく、棟梁の下駄ですが」
「・・・おっ、俺としたことがっ」
「弘法も筆の誤りと申します」
「そうだ、そうだな、いいこと言うじゃねえか」
「じゃ、あっしはこれで」
「おっと、なんでえ、どこへ行くってんだよ。仕事は始まったばっかしじゃねえか」
「すぐにもどります」
「まあいい。早くけえってきな」

「巡回ご苦労さま。13号、どうだった」
「今年は江戸の大工の棟梁のようで」
「これで十年、十種類目か」
「去年は魚河岸の仲買人でした」
「あれはうるさかったな」
「その前は落ち目の歌手でした」
「あれは見ていてあわれだった」
「その前は坊さん」
「毎日説教してたな。まったく、年が明けるたびに違うものになりきってしまう病気ってのは、聞いたことがないね」
「『無実の罪の囚人』にだけはなってほしくありません」
「そうだな。毎日毎晩『出せ〜っ、俺はやってね〜っ』てな風にどなりつづけられた日にゃ、こっちがまいっちゃうよ。あ、13号にはいつものアンプル打っといて」
「はい。では、わたしはこれで」

「最後の14号、どうでした」
「今年は精神科医のようで」

 おしまい。 
08.01.05 
おめでたい大王松
大王松




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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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