揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#670 継 承 3
さて、岡崎公園で致命的にヒマな時間を持て余すはずが、日本のグレートな「おんな」たちに出会うことになったワタシ。ここで、イカルという鳥に触れねばならない。ウチの周囲で鳴くイカルは、鳥のさえずりが太古から連綿と受け継がれてきた命の証であることを、ワタシにことのほか明解に教えてくれる。で、このたびイカルと、思いがけず新たな出会いをすることとなった。
さて、岡崎公園で致命的にヒマな時間を持て余すはずが、日本のグレートな「おんな」たちに出会うことになったワタシ。ここで、イカルという鳥に触れねばならない。ウチの周囲で鳴くイカルは、鳥のさえずりが太古から連綿と受け継がれてきた命の証であることを、ワタシにことのほか明解に教えてくれる。で、このたびイカルと、思いがけず新たな出会いをすることとなった。
話は、岡崎公園を訪れた日の前日にさかのぼる。
来月オカリナの演奏をさせていただく京都のお寺を、ご挨拶と打ち合わせに訪ねた。今どき珍しく、修行のお弟子さんをたくさん抱えておられるお寺だ。客間でご住職に伺ったお弟子さんにまつわるお話は、へんたい興味深かった。
続いてご住職は、お坊さんが為すべきは、死者にお経を上げることではなく、死の床にある人の傍らに座し、安心して逝かせてあげることだとおっしゃい、それを「ホスピス活動」と表現された。
「病院へ坊主が行くと縁起が悪いといやがられると言いますが、あれはウソです。私は何度も病気のお年寄りのお見舞いに病院に(僧衣で)行きましたが、みんな喜ばれます。看護士さんや知らない患者さんにまで歓迎されます」
そんな話の流れの中で、こうおっしゃった。
「命とは、母から生まれた時に受け継ぐものだと思われてますが、そうではありません。お母さんが亡くなるその時に、子どもは命を受け継ぐのです」
ワタシは両手をぐっと握りしめた。実は、この日の前日は、マイ母の命日だったのだ。
自分は母の美点を少しも受け継いでいないと感じることがある。が、ご住職のお話を聞いたとき、少なくとも母の命だけはしっかり受け継いだのだと思えた。それで十分だ。いや、それ以上にありがたくうれしく、尊いことがあるだらふか。
お寺からの帰り道、思い立って両親の墓に詣でた。掃除を終え、数珠も無しでお参りを終えたそのとき、すぐ背後の森でイカルが鳴き始めた。この墓地ではかつてイカルの声を聴いたことはなかった。ワタシは、そのイカルはマイ母だと直感した。そして、自分がなぜこんなにイカルに魅かれ続けているのかを理解した。ウチの側のイカルも、田んぼのイカルも、このイカルも、みんなマイ母なのだ、今はいつもワタシを見守っていると告げに来てくれたのだと、すべてが一瞬のうちにわかった。
イカルはほどなく鳴き止み、その後再び鳴くことはなかった。
話は翌日の岡崎公園にもどる。
写真展「おんな」を見終えて考えた。ワタシの母の姿を探す心がここに導いたのだろうか、と。
そんなこんなで、あっという間に午後2時になり、目的のコンサートが始まった。十人ほどの女性が交代でピアノを演奏する。「おんな」で見た女性の魂が、音楽においても表現され得ることを目の当たりにできた。
女性の魂は、ときには大地の鳴動となり、ときには打ち寄せる波になり、ときには鳥のさえずりとなり、ときには人の笑顔や写真や音楽に宿って、命を育み、継承していく。今生きて在る数十億の女性の命は、人類の現在と未来を結ぶ唯一の魂の架け橋だ。その女性たちの命を、地球の男は果たして大切にしているだろうか。
来月オカリナの演奏をさせていただく京都のお寺を、ご挨拶と打ち合わせに訪ねた。今どき珍しく、修行のお弟子さんをたくさん抱えておられるお寺だ。客間でご住職に伺ったお弟子さんにまつわるお話は、へんたい興味深かった。
続いてご住職は、お坊さんが為すべきは、死者にお経を上げることではなく、死の床にある人の傍らに座し、安心して逝かせてあげることだとおっしゃい、それを「ホスピス活動」と表現された。
「病院へ坊主が行くと縁起が悪いといやがられると言いますが、あれはウソです。私は何度も病気のお年寄りのお見舞いに病院に(僧衣で)行きましたが、みんな喜ばれます。看護士さんや知らない患者さんにまで歓迎されます」
そんな話の流れの中で、こうおっしゃった。
「命とは、母から生まれた時に受け継ぐものだと思われてますが、そうではありません。お母さんが亡くなるその時に、子どもは命を受け継ぐのです」
ワタシは両手をぐっと握りしめた。実は、この日の前日は、マイ母の命日だったのだ。
自分は母の美点を少しも受け継いでいないと感じることがある。が、ご住職のお話を聞いたとき、少なくとも母の命だけはしっかり受け継いだのだと思えた。それで十分だ。いや、それ以上にありがたくうれしく、尊いことがあるだらふか。
お寺からの帰り道、思い立って両親の墓に詣でた。掃除を終え、数珠も無しでお参りを終えたそのとき、すぐ背後の森でイカルが鳴き始めた。この墓地ではかつてイカルの声を聴いたことはなかった。ワタシは、そのイカルはマイ母だと直感した。そして、自分がなぜこんなにイカルに魅かれ続けているのかを理解した。ウチの側のイカルも、田んぼのイカルも、このイカルも、みんなマイ母なのだ、今はいつもワタシを見守っていると告げに来てくれたのだと、すべてが一瞬のうちにわかった。
イカルはほどなく鳴き止み、その後再び鳴くことはなかった。
話は翌日の岡崎公園にもどる。
写真展「おんな」を見終えて考えた。ワタシの母の姿を探す心がここに導いたのだろうか、と。
そんなこんなで、あっという間に午後2時になり、目的のコンサートが始まった。十人ほどの女性が交代でピアノを演奏する。「おんな」で見た女性の魂が、音楽においても表現され得ることを目の当たりにできた。
女性の魂は、ときには大地の鳴動となり、ときには打ち寄せる波になり、ときには鳥のさえずりとなり、ときには人の笑顔や写真や音楽に宿って、命を育み、継承していく。今生きて在る数十億の女性の命は、人類の現在と未来を結ぶ唯一の魂の架け橋だ。その女性たちの命を、地球の男は果たして大切にしているだろうか。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
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