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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#669 継 承 2

 作品というものは、作者の内面を映し出す。それは写真も例外ではない。報道写真であれ何であれ、被写体の向こう側に、撮影者の心がはっきりと映し出される。写真展「おんな」で展示されていた二百数十点の写真は、ほとんどが男性写真家の作品だった。それらすべてには、女性への深い尊敬と、憧憬と、驚きのまなざし、そして畏敬の念が映し出されていた。

 写真家という人種は、なんて正直なんだらふ。女性を畏れ敬い、憧れ、そして求める気持ちを隠そうとしない。が、それこそが実は、男性たるものの取るべき基本的態度ではないかと思わされる。およそこの世には、女性から生まれてこなかった人間はいないのだ。すべての男はそのことを、一日に一度は思い出すべきだ。

 ほんの数十年前の、しかし異国のような日本。そこで笑い、泣いていた女性の顔は、今よりもずっと「濃い」と前便に書いた。が、その点は、この写真展にはほとんど登場しない男性の顔もおんなじだ。心の底から感情を噴出させた者だけが放つ表情。心の底からの感情の噴出とは、畢竟生きる底力の噴出なのだと、「おんな」たちは語っていた。

 そんな時代に生まれ育った「おんな」のひとりに、マイ母がいる。思い起こせば、母の強さばかりが際立って甦る。ここにワタシの母親観が集約されている。すなわち、母とは強き存在なのだ、と。
 が、ひとりの「おんな」であったはずのマイ母。その弱さに気づいてあげることができたのは、最晩年だったように思う。それは、あまりに遅きに失した。

 写真の中の、昔の女たち。社会的にはイマドキとは比べるべくもない弱者だった。が、その弱者たちこそが、この国の土台を支えてきたのだ。すなわち、男たちの帰る場所を守り、食べさせ、休ませ、子どもを育て、さらには共に働き、戦ってきた。写真に映し出された多くの昔の女たちの表情には、その「責務」を果たす者の自負と苦悩が現れている。
 時代が母たちの強さを育んだのか、母たちの強さがあの時代を作り上げたのか。

 マイ母の顔は、写真の農村の老女たちの顔とはずいぶん違っていた。街なかで生まれ育ったからだろーか。いつまでも繊細さが残されていた。が、はじけるような笑顔はおんなじだった。いつも屈託なく、カラカラと笑った。
 ワタシはマイ母や写真の女たちのように、いつも心の底から笑えているだらふかと自問した。母から生まれながら、その美点をほとんど受け継いでいないように感じることがあるのだ。

 つづく。 
10.09.21 記 
平安神宮の大鳥居。
岡崎鳥居


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演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
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