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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#132 Oh,能!

 夏の夜の薪能が好きだ。少しは涼しい風情が楽しめるというばかりではない。
 能面が好きだ。中でも、女性の顔の能面に惹かれる。能を見るとき、ほとんど能面ばかり見ている。世界が能面を中心に動いているように見えてくる。
 去年、能面を題材にした創作民話を書いた。見知らぬ木から生まれた白と黒の能面が、見る人の心の真実を映し出すという物語だった。

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 そういえば、むかし、能面師になりたいと思ったことがあった。能面を題材にした話を書いたのは、その夢を物語の世界で果たそうとしたのかもしれない。

 どっしりと腰をおろして、静かに材と向かい合い、左手にノミを持ち右手で木槌を根気良くふるって、自分が思い描く人物の面(おもて)を少しずつ彫り上げてゆく。そんな孤独で深い作業に憧れた。もちろん、能面の持つ魔力に惹き付けられるがゆえに、そんな作業をしてみたいと思ったわけだ。

 音楽の原点は静寂だと言える。そして能は「静寂のうちに始まり、静寂のうちに終わる」と言われる。万物の祖が誕生する以前、そこには無限の静寂があった。すべてはその静寂から生まれた。能は、そのことも表現している。

 しかし、その静寂の中に、音楽はすでに存在していたのだとも思う。音楽は法則なのだから。その静寂は「無」ではなく、いのちを生み出す法則が、すでにそこにあったはずだからだ。
 同じように、能面もまた、そこに存在していたのではないかと思う。無限の静寂の中に、たしかに能面が浮かんでいたにちがいないという気がしてならない。

 少し涼しくなった。思索の秋は近い。ちっとも思索しないけど。

 おしまい。 
山牛蒡
山牛蒡
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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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