揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
現代人は、予定にしたがって生きている。予定をこなすことが生きることだと言ってもいい。
改めてこの事実に向き合ってみると、ずいぶん妙な気持ちになる。今、目の前にある風景は、たった今聴こえてくる鳥の声は、自分にとっていったい何なのだろう、とテツガクしてしまう。
改めてこの事実に向き合ってみると、ずいぶん妙な気持ちになる。今、目の前にある風景は、たった今聴こえてくる鳥の声は、自分にとっていったい何なのだろう、とテツガクしてしまう。
「今」に関わる時は、多い方がいいに決まっていると思える。
こう書くと、「今」に関わる「時」という表現がすでに間違っていることに気が付く。そう、「今」とは「時」に属さないものなのだ。この手につかみようがなく、つかまえたかと思えば、たちどころにするりと逃げていってしまう。
このあいだ、あるグループのレッスンの終了間際に「振り返らず、先を思わず、瞬間に関わること、それが音楽だ」と、えらそうなことを言ってしまった。ひとりは熱心にメモを取ってくれていた。が、ワタシ自身、演奏中に常に「瞬間」すなわち「今」に関わっているかといえば、もちろんノーなのだ。雑念のとりこになってしまっていることもなきにしもあらず。
演奏中は、三種類の音を聴きつづけることになる。
ひとつは、今自分が出している音。
もうひとつは、他の演奏者が演奏する音や部屋の響きなど周囲の音。
そしてもうひとつは、これから演奏しようとしている、頭の中の音だ。楽譜の中にまだ眠っている音だ。
これから演奏しようとしている音とは、「予定」みたいなものだ。予定にしばられていて、どうして「今」の音に関れるのか。
しかし、人間にはそれができてしまう。できなければ、演奏は成り立たない。人間とはすごいものだ。
そうではあるのだが、「今」の音に関わる深さが、演奏の質を決めるのだ。「予定」は、できるだけ頭の隅の方へ押しやってしまうのがよい。たった今自分が出しているその音をどれだけ深く聴くか。出す音の深さは、聴く深さに比例する。深く聴けば聴くほど、深い音が自然に出る。「予定」は頭の隅の方で、演奏者が道を踏み外さないように道案内するにとどめておくのがいい。
演奏中のミスには、音をはずすなどの目に見えるものもあれば、思っていた表現ができなかったという目に見えないものもある。それらに囚われていては、「今」に関わることはできない上に、予定をこなすこともできなくなる。演奏中は、ひたすら「今」に関わりつづけることが必要だ。
集中力が落ちてきたときは、とにかく「今」の音を聴くことだ。そうすれば、出るべきものは自然に出てくる。これは、即興演奏でもっともはっきりと現われる。
こうしたことは、日々の暮らしの中でも同じことが言えるように思う。人と話すときも、何かについて考えるときも、料理を作るときも、車を運転するときも、歩くときでさえ、「今」に関わることでその質は高まる。漠然とした行為は漠然とした結果を生むことになる。
むむ、テツガクしてしまった。
13日にいただいたたくさんのお花、窓際で雨上がりの陽を受けて、きれいです。(写真は14日に撮影 by よく知っているご婦人)
おしまい。
こう書くと、「今」に関わる「時」という表現がすでに間違っていることに気が付く。そう、「今」とは「時」に属さないものなのだ。この手につかみようがなく、つかまえたかと思えば、たちどころにするりと逃げていってしまう。
このあいだ、あるグループのレッスンの終了間際に「振り返らず、先を思わず、瞬間に関わること、それが音楽だ」と、えらそうなことを言ってしまった。ひとりは熱心にメモを取ってくれていた。が、ワタシ自身、演奏中に常に「瞬間」すなわち「今」に関わっているかといえば、もちろんノーなのだ。雑念のとりこになってしまっていることもなきにしもあらず。
演奏中は、三種類の音を聴きつづけることになる。
ひとつは、今自分が出している音。
もうひとつは、他の演奏者が演奏する音や部屋の響きなど周囲の音。
そしてもうひとつは、これから演奏しようとしている、頭の中の音だ。楽譜の中にまだ眠っている音だ。
これから演奏しようとしている音とは、「予定」みたいなものだ。予定にしばられていて、どうして「今」の音に関れるのか。
しかし、人間にはそれができてしまう。できなければ、演奏は成り立たない。人間とはすごいものだ。
そうではあるのだが、「今」の音に関わる深さが、演奏の質を決めるのだ。「予定」は、できるだけ頭の隅の方へ押しやってしまうのがよい。たった今自分が出しているその音をどれだけ深く聴くか。出す音の深さは、聴く深さに比例する。深く聴けば聴くほど、深い音が自然に出る。「予定」は頭の隅の方で、演奏者が道を踏み外さないように道案内するにとどめておくのがいい。
演奏中のミスには、音をはずすなどの目に見えるものもあれば、思っていた表現ができなかったという目に見えないものもある。それらに囚われていては、「今」に関わることはできない上に、予定をこなすこともできなくなる。演奏中は、ひたすら「今」に関わりつづけることが必要だ。
集中力が落ちてきたときは、とにかく「今」の音を聴くことだ。そうすれば、出るべきものは自然に出てくる。これは、即興演奏でもっともはっきりと現われる。
こうしたことは、日々の暮らしの中でも同じことが言えるように思う。人と話すときも、何かについて考えるときも、料理を作るときも、車を運転するときも、歩くときでさえ、「今」に関わることでその質は高まる。漠然とした行為は漠然とした結果を生むことになる。
むむ、テツガクしてしまった。
13日にいただいたたくさんのお花、窓際で雨上がりの陽を受けて、きれいです。(写真は14日に撮影 by よく知っているご婦人)
おしまい。
PR
おじゃましま~す
チョッとドキドキしますね。初めてのお家を訪ねた時のような緊張感。ましてや新築の!いつぞやはよそのお家で失礼しました。またまたお勉強させて頂きました。私は音楽をする者ではありませんが、声は出します。声にはやっぱり音色があり
、それによって多くの表現ができるわけですが、おっしゃるとおり、今出している声、言葉にいかに神経を集中させ、大切にするか。きっとそうする事によって表現する世界は研ぎ澄まされ、美しいものを生み出す事ができるような気がします。さて、練習、練習!有難うございました。
、それによって多くの表現ができるわけですが、おっしゃるとおり、今出している声、言葉にいかに神経を集中させ、大切にするか。きっとそうする事によって表現する世界は研ぎ澄まされ、美しいものを生み出す事ができるような気がします。さて、練習、練習!有難うございました。
Re:おじゃましま〜す
ハナさま
いらっしゃいませ。御礼のお言葉までいただき、早くも新築した甲斐があったなと喜んでおります。相変わらずよろしくお願いします。
「瞬間性健忘症」というものもあって、つい3秒前のことをすっかり忘れてしまうという、ミュージシャンに多いビョーキですが、本番中によくかかります。特にMCで、Aという曲の説明をしていたはずが、いつの間にかBという曲の紹介にすりかわってしまい、結果曲順をまちがえるということが何度もありました。単純に曲を飛ばしてしまうことなど、もうしょっちゅうであります。そんなときは「いや、わしは『今』に生きておるのだ」と言訳します。
いらっしゃいませ。御礼のお言葉までいただき、早くも新築した甲斐があったなと喜んでおります。相変わらずよろしくお願いします。
「瞬間性健忘症」というものもあって、つい3秒前のことをすっかり忘れてしまうという、ミュージシャンに多いビョーキですが、本番中によくかかります。特にMCで、Aという曲の説明をしていたはずが、いつの間にかBという曲の紹介にすりかわってしまい、結果曲順をまちがえるということが何度もありました。単純に曲を飛ばしてしまうことなど、もうしょっちゅうであります。そんなときは「いや、わしは『今』に生きておるのだ」と言訳します。
Chategory
太 陽 暦
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
New Entry
(08/20)
(04/18)
(05/17)
(09/04)
(08/31)
(04/24)
(04/19)
New Comments
※ 非公開を希望される方はその旨お書きください。
[09/10 水戸ふぢ]
[09/05 森下知子]
[07/17 Kitty]
[05/31 Kitty]
[04/17 Kitty]
[03/13 巴だ]
[12/08 栗美]
ブログ内検索
New Track Back
Archives
ようこそ