忍者ブログ
揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
2024-041 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 prev 03 next 05
21  20  19  18  17  16  15  14  13  12  11 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 1697。なんの数字でせう?

 藤原真理さんのチェロコンサートに行ってきた。ワタシに無上のインスピレーションと安らぎと高揚感を与えてくれる、バッハの無伴奏チェロ曲を中心にしたすばらしい演奏だった。
 で、1697 とは、西暦1,697年のことで、実はこの年は、藤原さんのチェロがイタリアで作られた年なのだ。御年310才の楽器とは!
 コンサートの会場であった京都の法然院は、これまた歴史あるお寺だ。演奏会場となった本堂は1,688年に建てられたものだそうだ。そして、バッハが生まれたのが1,685年。つまり、藤原さんのチェロ、法然院の本堂、バッハは同時代の産物だということになる。

拍手[0回]


 この17世紀日独伊トリオによる合作コンサートは、お寺の庭のモリアオガエルの鳴き声、つくばいに流れ込む水音、そして時たま静寂の庭に響くししおどしの澄んだ音色という、これまた古えから連綿とこの地に響いてきた自然の奏でるバックグラウンドサウンドの中で行なわれた。この時空を超えたシチュエーションの中で、畳に座して聴く極上のバッハは、またしてもワタシが「永遠」について思いを巡らせる契機となった。

 チェロと本堂の年齢に、それぞれの材料となった原木の年輪を加えてその年齢を想うと、気が遠くなる。それらを、単に歴史ある物と呼ぶだけでは何かが欠けているように思う。なぜなら、それらは命あるものとして、きょうまで欠かすことなく人に使われ、磨かれてきたからだ。それらは、演奏と祈りという、人が永遠への扉を開く行為の媒体として、正に時を超えて存在してきた。そして永遠への地図を描いたのが作曲者であり宗祖であり、その地図を読み解いて集う人々に示すのが演奏者であり、地図にしたがって人々を導くのがお寺のお坊様であると言えるかもしれない。

 永遠への扉である音楽を、この世とあの世をつなぐ場で聴くコンサートは、まさに人の世の幸せを感じるひとときであった。多謝。

 おしまい。



PR
NAME
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS
TRACKBACK URL 
おしらせ
お問合せはホームページの "FAQ & Form" からしていただけます。
太 陽 暦
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
New Comments
※ 非公開を希望される方はその旨お書きください。
[09/10 水戸ふぢ]
[09/05 森下知子]
[07/17 Kitty]
[05/31 Kitty]
[04/17 Kitty]
[03/13 巴だ]
[12/08 栗美]
twitter
ブログ内検索
New Track Back
ようこそ
バーコード
"巴だ リョウヘイ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP@SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]