揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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足掛け三日間の出稼ぎから帰ってきた。越前人たちはみんな両手でピースサインを出しながら横歩きをしていた。おおらかだけれどちょっとシャイな越前人たちとの仕事は楽しかった。
6月16日の福井県護国神社での公演は、全国で行なわれている「100万人のキャンドルナイト」のひとつとして同神社の主催で行なわれた。ワタシの仕事は、俳優の人村朱美さんの作・構成・演出・主演の『幻想花さき山』というひとり芝居の作品のサポートだった。ワタシは揚琴と一部オカリナを担当。音楽はほかに和太鼓、笛、シンセサイザー、効果音という編成であった。ワタシ以外の奏者は地元の若手である。やる気に満ち有能な若きミュージシャンとの共演は新鮮だった。
6月16日の福井県護国神社での公演は、全国で行なわれている「100万人のキャンドルナイト」のひとつとして同神社の主催で行なわれた。ワタシの仕事は、俳優の人村朱美さんの作・構成・演出・主演の『幻想花さき山』というひとり芝居の作品のサポートだった。ワタシは揚琴と一部オカリナを担当。音楽はほかに和太鼓、笛、シンセサイザー、効果音という編成であった。ワタシ以外の奏者は地元の若手である。やる気に満ち有能な若きミュージシャンとの共演は新鮮だった。
『幻想花さき山』のストーリーは「愛」をテーマにしたすばらしいものだった。愛する人と村のために身を捨てたふたりの若者の物語二編を、山に迷い込んだ村の少女に山姥が語り聞かせるという設定で物語は進められる。人が良いことをひとつするとこの世に花がひとつ咲く、という山姥の教えはこの物語のテーマであり、これは仏教の「陰徳」の思想に通じるものがあると思う。そして至高の愛の表現としての自己犠牲はキリスト教の教えでもある。これらが見事に溶け合い、ひとつの古くて新しいモラルを描き出していた。
人が良いことをひとつするとこの世に花がひとつ咲くという設定は、ワタシの『Flowering(開花)』という揚琴ソロ曲のテーマに通じるものがあった。この曲は、生きとし生けるすべてのものは永遠に開花しつづけるという仏教の説話を元にして生まれたものだ。たった今この瞬間にも、この世界のどこかで必ず無数の花々が花開いている。その運動は永遠に途切れることがない。言わば、地球という星自体が永遠の開花の運動を続けているのだ。 そして、すべての人もまたひとつの花であるのだ。
で、『幻想花さき山』のワタシが揚琴で担当する音楽は、すべてこの曲の曲想をベースに作ってみた。そしてある箇所ではこの曲の一部をそのまま挿入してみたところ、泣けるほどぴったりであった。『Flowering』では人の進化・成長を開花に見立てているが、『幻想花さき山』では逆に、開花を人の善き行いの結果としているところが、ワタシから見れば新鮮だった。これらのふたつのテーマが『幻想花さき山』においてうまく結合したとの思いがした。それはきっと、開花に象徴される命の営みの素晴らしさと神秘と価値というひとつのテーマを、別の角度から見たものであったからだろう。
ひとつのテーマをいくつもの視点から見ることで、そのテーマはより深まり、より広く伝わって行くことができるようになる。
世界の平和を祈るキャンドルナイトの一夜にふさわしい作品であったと思う。
人村さんとは昨年東京での古澤侑峰さんの公演で共演して知り合った。とても愉快な方で、「ひとり漫才」を始め、この二日間で何度大笑いさせていただいたかわからない。であるのに、あの心温まる深いストーリーがどこから出てくるのか、人村さんの人間の幅というか深みを感じさせられた。
明けて17日の帰り道、エントリ18=#81のコメントでじーじさんからお薦めいただいた「ソースカツ丼」を、敦賀湾近くのY軒本店までひとりで車を走らせて食べに行った。敦賀出身の人村さんが「やっぱり本店に行かないとね」と言ってたからだ。
カツ丼とは、トンカツと青ネギまたはタマネギを出し汁で煮て玉子でとじたものをご飯に乗せたメニューである。が、『ソースカツ丼』はカツ丼の概念を超えている。店の解説によれば、このスタイルがカツ丼の原点なのだそうだが。
そのスタイルは、鰻丼のそれである。正統の鰻丼は、ご飯の上には甘辛いタレがかかったウナギのほかは何物も乗せられていない。ソースカツ丼は、まさにそのような姿をしている。ただ、タレは近代ウスターソースなのである。
日頃ウスターソースもトンカツソースも口にしないワタシは、ソースカツ丼のコンセプトに恐れをなしてはいたが、カツには目がない。朝飯抜きで車を飛ばした。
食べ終わって満員の店を出てから数時間、ウスターソースの味と香りが口から消えなかった。一生分のウスターソースを一度に食した気分だ。ごちそうさま。
人が良いことをひとつするとこの世に花がひとつ咲くという設定は、ワタシの『Flowering(開花)』という揚琴ソロ曲のテーマに通じるものがあった。この曲は、生きとし生けるすべてのものは永遠に開花しつづけるという仏教の説話を元にして生まれたものだ。たった今この瞬間にも、この世界のどこかで必ず無数の花々が花開いている。その運動は永遠に途切れることがない。言わば、地球という星自体が永遠の開花の運動を続けているのだ。 そして、すべての人もまたひとつの花であるのだ。
で、『幻想花さき山』のワタシが揚琴で担当する音楽は、すべてこの曲の曲想をベースに作ってみた。そしてある箇所ではこの曲の一部をそのまま挿入してみたところ、泣けるほどぴったりであった。『Flowering』では人の進化・成長を開花に見立てているが、『幻想花さき山』では逆に、開花を人の善き行いの結果としているところが、ワタシから見れば新鮮だった。これらのふたつのテーマが『幻想花さき山』においてうまく結合したとの思いがした。それはきっと、開花に象徴される命の営みの素晴らしさと神秘と価値というひとつのテーマを、別の角度から見たものであったからだろう。
ひとつのテーマをいくつもの視点から見ることで、そのテーマはより深まり、より広く伝わって行くことができるようになる。
世界の平和を祈るキャンドルナイトの一夜にふさわしい作品であったと思う。
人村さんとは昨年東京での古澤侑峰さんの公演で共演して知り合った。とても愉快な方で、「ひとり漫才」を始め、この二日間で何度大笑いさせていただいたかわからない。であるのに、あの心温まる深いストーリーがどこから出てくるのか、人村さんの人間の幅というか深みを感じさせられた。
明けて17日の帰り道、エントリ18=#81のコメントでじーじさんからお薦めいただいた「ソースカツ丼」を、敦賀湾近くのY軒本店までひとりで車を走らせて食べに行った。敦賀出身の人村さんが「やっぱり本店に行かないとね」と言ってたからだ。
カツ丼とは、トンカツと青ネギまたはタマネギを出し汁で煮て玉子でとじたものをご飯に乗せたメニューである。が、『ソースカツ丼』はカツ丼の概念を超えている。店の解説によれば、このスタイルがカツ丼の原点なのだそうだが。
そのスタイルは、鰻丼のそれである。正統の鰻丼は、ご飯の上には甘辛いタレがかかったウナギのほかは何物も乗せられていない。ソースカツ丼は、まさにそのような姿をしている。ただ、タレは近代ウスターソースなのである。
日頃ウスターソースもトンカツソースも口にしないワタシは、ソースカツ丼のコンセプトに恐れをなしてはいたが、カツには目がない。朝飯抜きで車を飛ばした。
食べ終わって満員の店を出てから数時間、ウスターソースの味と香りが口から消えなかった。一生分のウスターソースを一度に食した気分だ。ごちそうさま。
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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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