揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#477 WHAT WE NEED
神戸に向かった。人でごった返す土曜日のJR京都駅。前方から二十歳前くらいの小柄な女の子が、電車に乗り遅れまいと、ギョロ目をむいて疾走してくる。ころんころんに肉付きがよい顔と体型をしているので、まるでゴムマリが弾んでくるようだ。で、彼女のTシャツに書かれた太くて大きな文字を見て、ワタシはしばらく笑いをこらえるのに苦労した。「I NEED MORE SPEED」だって。
神戸に向かった。人でごった返す土曜日のJR京都駅。前方から二十歳前くらいの小柄な女の子が、電車に乗り遅れまいと、ギョロ目をむいて疾走してくる。ころんころんに肉付きがよい顔と体型をしているので、まるでゴムマリが弾んでくるようだ。で、彼女のTシャツに書かれた太くて大きな文字を見て、ワタシはしばらく笑いをこらえるのに苦労した。「I NEED MORE SPEED」だって。
さて、二日間に渡る「2009 オカリナフェスティバル in 神戸」が終わった。例年通り泊まりがけで二日間とも聴かせていただいた。出場120組に対して抽選漏れが若干。その中にワタシの生徒さんのグループ二組があったのは不運。で、出場できた四組はその分もがんばったかどうか。
このフェスティバル、今年で9回目となる。参加者には常連組が多く、毎年概ねレベルアップしている。が、やはり今年も大半は、聴いていてイタイ。初心者からベテランまで、自分のことしか考えていないのが伝わってくる。
技術面では、合理的なフォーム、立ち方で吹いている人がほとんどいないことが印象に残った。
そして、先生に指導を受けているであろうグループと、独力でやっているグループの違いが鮮明になってきた。その違いは、いわゆる「オカリナの腕前」ではなく、音楽的表現の面に現われている。同じ腕前だったら、表現がしっかりしたグループの方が当然深みのある演奏になる。
腕前があってもピッチがばらばらでフレーズの歌い回しとつなぎ方などの要所が雑になっているグループは、おそらく指導を受けていないのだろう。腕前がなくてもピッチがそろっていて要所要所がしまっているグループは、指導を受けていることがわかる。
ただし、どちらがいいという話ではない。指導を受けていないと思われるグループの方が伸び伸びした演奏である場合が多いし、指導を受けているグループは型通りの演奏をやらされているだけだと感じる場合が多いからだ。
演奏の良し悪しとは、要は、人の心に届く演奏であるかどうかに尽きる。これこそが、多くのオカリナフリークが「憧れる」ことではないだろうか。
人の心に届く演奏をするためには、まず良い演奏に人一倍感動すること、次にどうすればそのような演奏ができるのかを知りたいと熱望することが必要だ。「憧れる」だけでは足りない。
もちろん独力系グループでもなんらかの感動を与えることはあり得る。が、それは「あの歳でよくがんばってるなー」という類いで、音楽そのものが与える感動とは別物だ。
オカリナをするすべての人は、上達してこそ楽しいこと、人の心に届く可能性が出てくることを本能的に知っている。が、上達するには、正しい道を歩まなければならない。つまり音楽を正しく理解し、正しい練習方法を採らねばならない。何より大切なことは、自分のことだけを考えていては、けっして良い演奏・合奏にならないということだ。指導を受けている人も受けていない人も含めて、オカフェス参加者にこれらの点が腑に落ちていないと思われる人が多いことが、今年の客席に空席が目立ったことと無関係であれば良いのだが、と願う。
震災復興事業の一環として始められたこのオカフェス。神戸を元気にするお祭ってことだ。が、来年とうとう十年目を迎えるに当たって、ただのお祭騒ぎどころか、自分のことしか考えない人々の集う場と化してしまったとすれば、果たして続ける価値があるのかどうか。主催者さんは当然思案されることだらふ。
市民の税金を使って続ける以上、そこに成長が求められて当然だと思う。音楽をする者の成長とは、感動を分かち合えるように演奏を磨くことしかない。この点にシリアスになれるグループが、ひとつでもふたつでも増えてくれれば良いのに、と痛切に思った二日間だったとさ。「WE NEED MORE LOVE」ですな。
このフェスティバル、今年で9回目となる。参加者には常連組が多く、毎年概ねレベルアップしている。が、やはり今年も大半は、聴いていてイタイ。初心者からベテランまで、自分のことしか考えていないのが伝わってくる。
技術面では、合理的なフォーム、立ち方で吹いている人がほとんどいないことが印象に残った。
そして、先生に指導を受けているであろうグループと、独力でやっているグループの違いが鮮明になってきた。その違いは、いわゆる「オカリナの腕前」ではなく、音楽的表現の面に現われている。同じ腕前だったら、表現がしっかりしたグループの方が当然深みのある演奏になる。
腕前があってもピッチがばらばらでフレーズの歌い回しとつなぎ方などの要所が雑になっているグループは、おそらく指導を受けていないのだろう。腕前がなくてもピッチがそろっていて要所要所がしまっているグループは、指導を受けていることがわかる。
ただし、どちらがいいという話ではない。指導を受けていないと思われるグループの方が伸び伸びした演奏である場合が多いし、指導を受けているグループは型通りの演奏をやらされているだけだと感じる場合が多いからだ。
演奏の良し悪しとは、要は、人の心に届く演奏であるかどうかに尽きる。これこそが、多くのオカリナフリークが「憧れる」ことではないだろうか。
人の心に届く演奏をするためには、まず良い演奏に人一倍感動すること、次にどうすればそのような演奏ができるのかを知りたいと熱望することが必要だ。「憧れる」だけでは足りない。
もちろん独力系グループでもなんらかの感動を与えることはあり得る。が、それは「あの歳でよくがんばってるなー」という類いで、音楽そのものが与える感動とは別物だ。
オカリナをするすべての人は、上達してこそ楽しいこと、人の心に届く可能性が出てくることを本能的に知っている。が、上達するには、正しい道を歩まなければならない。つまり音楽を正しく理解し、正しい練習方法を採らねばならない。何より大切なことは、自分のことだけを考えていては、けっして良い演奏・合奏にならないということだ。指導を受けている人も受けていない人も含めて、オカフェス参加者にこれらの点が腑に落ちていないと思われる人が多いことが、今年の客席に空席が目立ったことと無関係であれば良いのだが、と願う。
震災復興事業の一環として始められたこのオカフェス。神戸を元気にするお祭ってことだ。が、来年とうとう十年目を迎えるに当たって、ただのお祭騒ぎどころか、自分のことしか考えない人々の集う場と化してしまったとすれば、果たして続ける価値があるのかどうか。主催者さんは当然思案されることだらふ。
市民の税金を使って続ける以上、そこに成長が求められて当然だと思う。音楽をする者の成長とは、感動を分かち合えるように演奏を磨くことしかない。この点にシリアスになれるグループが、ひとつでもふたつでも増えてくれれば良いのに、と痛切に思った二日間だったとさ。「WE NEED MORE LOVE」ですな。

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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
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