#538 不 吉

#538　不　吉

　今朝、愛用の黒いＳＣ管のオカリナを落として、吹き口のあたりが壊れてしまった夢を見た。目が覚めたら、ショックで少々動悸がしていた。さて、午後からオカリナのレッスンをしに出かけると、ある生徒さんが「オカリナが複雑骨折した」と悲しげにおっしゃった。見れば、なんと吹き口のあたりが粉々で手の施しようがない。

　この方の骨折オカリナは、黒いＳＣ管ではなく、Ｋという工房で作られた素肌的色合い・感触のソプラノＦ管だった。このオカリナ、ただいま人気沸騰のようで、どこの店頭にも並んでおらず、注文から納品まで一年待ちということだ。これでは買い替えようにも相当の決意と、待つ間に使うスペアのオカリナが要る。
　が、ワタシは、まず修復できないものかどうかを専門家に相談すべきだと考え、こわれたオカリナを預かって帰った。オカリナ職人さんであればもちろんだが、陶芸ができてオカリナのことをわかる人なら判断出来ると、勝手に決めた。問題はそんな人が簡単に・・・見つかった。

　マイ生徒さんには、けっこういろんな人がいる。主婦に会社員に公務員にパートタイマーに、そして陶芸家の人もいる。これで医者と大工と猟師と警察と弁護士と政治家と坊さんがいれば、ワタシの人生安泰だ。
　とにかく四角、この陶芸家的生徒さん、なんと具合のいいことに、こわれたオカリナと同じオカリナを使っておられる。様々なオカリナを特徴づけるもののひとつは、吹き口に使われている上薬だ。このオカリナを直せる場合、現物を使っているこの生徒さんならば、似た仕上がりになる上薬を見立ててくれるやもしれない、とも思った。
　すでにさきほど「修復の可否、貴殿のご見解や如何に」との写真入りメールを発したので、あとはお返事待ちだ。

　にしても、こりゃ複雑骨折と言うよりも粉砕骨折だな。吹き口の手前半分が割れ落ちて、そのうちの半分は粉々だ。
　が、オカリナというものは、吹き口が半分の長さになっても音は出る。このオカリナも、吹き口が切断されて通常の倍くらいの太さになってしまっているが、ちゃんと鳴る。だから、最悪は今のままでも使い続けることはできる。口にくわえる所の太さだけがバスＣ管になったソプラノＦ管というのもオツなものだ・・・って、やっぱり妙な感じかな。

　それはそうと、このオカリナがいつ割れてしまったのかは聞いていない。今朝ワタシが目覚めた後だったら、ワタシの夢は、不吉だが予知夢だったやもしれないし、それ以前だったとすれば、持ち主さんの心の嘆きの声が聞こえたのやもしれない。
　ぬな？ ワタシがそんな夢を見たからこわれたんだってか？ その場合は「念力夢」という、新たなジャンルの超能力ということになって、それはよ・・・くないか。
　ぬななっ？ お前の夢はお前のオカリナがこわれることを予知しているのだ、だって？ 不吉な。こわれるんだったら、琴滝のライブが終わってからにしてくれ。

　おしまい。　
09.12.07 記　

万　両

2009/12/08 (Tue) オカリナ TRACKBACK() COMMENT(0)