#174 糧

#174　糧

　きのう、映画「猿の惑星」を見た。人間が扮した猿が大量に登場する。みんな猿の動きをよく研究している。放送が終わって別室に立ったとき、知らず猿の歩き方になってしまっていた。この歩き方、たいへんリラックスする。猿歩きで、意味もなく室内を歩き回った。近くの暖かい日なた道を、この歩き方で歩いたらさぞや気持ちがいいだろうと思うが、人騒がせだからやめておこう。

　きょうは「菓歩菓歩（かぼかぼ）」でライブだった。会場の周囲の紅葉の山々と由良川本流の気配は、そこでの人々の営みを祭に見せた。

　対バンの小坂たけし ＆ Ｉｋｕｙｏのおふたりのアイリッシュミュージックは、出番を待つワタシの心と身体をほんわかうきうきとさせた。

　おひるに食べた月のうさぎのサンドイッチセットの成分は、すべて揚琴の演奏に有効利用された。サンドイッチとスープとなった数種類の雑穀と大根は、滋味豊かで、胃にやさしく、紅玉の煮リンゴのサンドとともに、心を少しずつ紅く染めていった。

　きのう、桂米朝師匠の落語を見た。きょうのライブのＭＣは、ときどき上方落語調になってしまっていた。

　きょう、いちばん苦労したことは、ところ構わず猿歩きをしそうになってしまう自分を押さえることだった。

　演奏の前に体験したことが、たくさん演奏に生かされる。いいことも、悪いことも、演奏となって、音となって、この世界に広まってゆく。

　終了後にいただいた菓歩菓歩のカレーと特注のビールは、ライブで消費したすべてのエナジーを、一瞬で補充してしまった。

　おしまい。　

白いダリア

2007/11/24 (Sat) 揚　琴 TRACKBACK() COMMENT(0)