揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
#356 場馴れ
人生、誰しも上がったり下がったりだが、オカリナのセンセイをしていて、生徒さんからいちばんたくさん寄せられる質問のひとつが「どうすれば本番であがらなくなりますか」だ。このテーマ、ここでも何度か取り上げてきたが、先日の山の音楽会の日に、やっぱり同じ内容の会話が何度も聞こえてきた。
「どうしたら本番であがらなくなるのかなー」
「もっと場馴れすればあがらなくなるんじゃないの」
人生、誰しも上がったり下がったりだが、オカリナのセンセイをしていて、生徒さんからいちばんたくさん寄せられる質問のひとつが「どうすれば本番であがらなくなりますか」だ。このテーマ、ここでも何度か取り上げてきたが、先日の山の音楽会の日に、やっぱり同じ内容の会話が何度も聞こえてきた。
「どうしたら本番であがらなくなるのかなー」
「もっと場馴れすればあがらなくなるんじゃないの」
あれはいつのことだったか、テレビの歌番組の出番直前の都はるみさんの映像を見た。ものすごい緊張感だった。じっとしていることなく、立ったままで鏡に向かってそわそわと衣装を整え、何度も「シー、スー」と深い息をし、表情は終始固くこわばったままだった。が、舞台に出た瞬間、あのすばらしい歌声と、生きる喜びそのもののような笑顔がはじけた。
数年前、世界的チェリストのミッシャ・マイスキーの演奏をかなり近い位置で聴いた。一曲が終わり、次の曲の楽譜を整えるとき、マイスキーの指がぶるぶるとふるえているのを見た。が、演奏がスタートすると、ふるえはぴたりと止まり、この世のものとは思えない美しい音色が流れつづけた。
ピアニストのキース・ジャレットは、開演直前まで共演者と冗談を言いつづけるという。そうすることで、これから始まることの重圧から逃れようとしているのだそうだ。
同じくピアニストのフジ子・ヘミングが、これから舞台へ出るまさにそのときのインタビュー。フジ子はふるえながら言った。
「今からはわたしは、死刑台へ向かうようなものよ」
だから、もしかしたら、都はるみさん、マイスキー、ジャレット、フジ子の四氏より「場馴れ」すれば、初心者のみなさんもあがらなくなるのやもしれない。
同じ場所で何度も決められた曲を演奏しつづけている演奏家は、いかにも場馴れしている。が、そういう人から心に届くいい演奏を聴いたことはない。
ワタシは、場馴れという言葉はスレた感じがして大嫌いだ。アマチュアがいかにも場馴れした態度で舞台に立つのを見ると、何を生意気なっ、とイカってしまい、手に持っていたおでんを投げつけて出て行く。
都はるみ、マイスキー、ジャレット、フジ子の四氏の言葉に共通しているのは、「聴く人のために歌っている、演奏している」というものだ。アマチュアの、本番演奏中にあがってしまっている人の胸のうちはどのようなものなのだろう。ふるえている人は、何かのたたりを恐れているのだろうか。頭が真っ白になった人は、悟りの境地にいるのだろうか。息も絶え絶えの人は、主の救いを求めているのだろうか。それともみんな、舞台に立ったことを後悔しているのだろうか。
あがってしまっても、おでんを投げつけられるよりはいいじゃないか。
数年前、世界的チェリストのミッシャ・マイスキーの演奏をかなり近い位置で聴いた。一曲が終わり、次の曲の楽譜を整えるとき、マイスキーの指がぶるぶるとふるえているのを見た。が、演奏がスタートすると、ふるえはぴたりと止まり、この世のものとは思えない美しい音色が流れつづけた。
ピアニストのキース・ジャレットは、開演直前まで共演者と冗談を言いつづけるという。そうすることで、これから始まることの重圧から逃れようとしているのだそうだ。
同じくピアニストのフジ子・ヘミングが、これから舞台へ出るまさにそのときのインタビュー。フジ子はふるえながら言った。
「今からはわたしは、死刑台へ向かうようなものよ」
だから、もしかしたら、都はるみさん、マイスキー、ジャレット、フジ子の四氏より「場馴れ」すれば、初心者のみなさんもあがらなくなるのやもしれない。
同じ場所で何度も決められた曲を演奏しつづけている演奏家は、いかにも場馴れしている。が、そういう人から心に届くいい演奏を聴いたことはない。
ワタシは、場馴れという言葉はスレた感じがして大嫌いだ。アマチュアがいかにも場馴れした態度で舞台に立つのを見ると、何を生意気なっ、とイカってしまい、手に持っていたおでんを投げつけて出て行く。
都はるみ、マイスキー、ジャレット、フジ子の四氏の言葉に共通しているのは、「聴く人のために歌っている、演奏している」というものだ。アマチュアの、本番演奏中にあがってしまっている人の胸のうちはどのようなものなのだろう。ふるえている人は、何かのたたりを恐れているのだろうか。頭が真っ白になった人は、悟りの境地にいるのだろうか。息も絶え絶えの人は、主の救いを求めているのだろうか。それともみんな、舞台に立ったことを後悔しているのだろうか。
あがってしまっても、おでんを投げつけられるよりはいいじゃないか。

Chategory
太 陽 暦
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
New Entry
(08/20)
(04/18)
(05/17)
(09/04)
(08/31)
(04/24)
(04/19)
New Comments
※ 非公開を希望される方はその旨お書きください。
[09/10 水戸ふぢ]
[09/05 森下知子]
[07/17 Kitty]
[05/31 Kitty]
[04/17 Kitty]
[03/13 巴だ]
[12/08 栗美]
ブログ内検索
New Track Back
Archives
ようこそ