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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#116 中国人的商才

 中国語が飛び交う横浜の中華街を、3人の怪しい風体の男が歩いていた。
 無国籍ルックの旅慣れた様子の西洋人が言った。
「キニシナイ、キニシナイ、ヨクアルコトネ」
 インド人のようにもネパール人のようにも見えるが日本人らしい男が言った。
「良さん、やっぱここはさー、日本じゃないな」
 ふたりになぐさめられているもうひとりの男は、そのうなだれ方から見るにやはり日本人のようだ。

拍手[1回]


 あれはいつのことだったか、民族楽器奏者のロビン・ロイド氏とタブラ奏者の逆瀬川健治氏と3人でツアーをした。ふたりとはその後 LAKSHMI のメンバーとして、たびたびいっしょに演奏することになる。このたびは横浜で演奏する日があったので、空き時間に中華街を訪れた。

 当時は、揚琴のCDはおろかカセットテープや楽譜さえ、日本ではほとんど市場に出回っていなかった。その頃はどこにでもあった「カセットテープ屋」を中華街で見つけて、ワタシは飛び込んだ。もちろん、中国製の揚琴のテープを探すためだ。

 ショーウィンドウの向こうに座っているふとっちょで無愛想な中国人のおやじに声をかけた。

「『ヤンチン』のテープはあるか」

 おやじは無言でまゆひとつ動かさずに、一本のカセットテープをつまみ出し、ショーウィンドウの上に置いた。ジャケットを見ると、白シャツに赤いネクタイを締めた青年がにこやかに揚琴を奏でている。

「いくらか」
「1,500 円」

 ようやく揚琴のテープを手に入れたワタシの足取りは軽かった。信じがたいことかもしれないが、ワタシが中国人による揚琴の演奏をちゃんと聴く機会はこれが初めてだったのだ。揚琴とワタシが中国音楽とはまったく関わりのないところで出会ったことを示す事実のひとつだ。

 3人で中華街散策をつづけていると、別のテープ屋が現われた。ここにも入ってみた。
 すると、さっき1.500円で買った同じテープに、500円の値札が貼られていたとさ。

 おしまい。 

 おわび:前便#115、7/31、0:20まで、下書が掲載されておりました。おわび申し上げます。

問題の揚琴のテープ
揚琴テープ



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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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