揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#582 陰謀の果てに
いつだっけか、¥1200で買った懐中時計の電池を¥1300かけて交換した話を #326「陰 謀」で書いた。その時計、ずっと愛用してたのだが、今年の初めにコンクリートの上に落として壊してしまった。動いてるのだが、一日に15分以上も遅れてしまう。しょうがないので泣く泣くもう一個買った。が、数日前、なんということだ、直っているのに気がついた。
いつだっけか、¥1200で買った懐中時計の電池を¥1300かけて交換した話を #326「陰 謀」で書いた。その時計、ずっと愛用してたのだが、今年の初めにコンクリートの上に落として壊してしまった。動いてるのだが、一日に15分以上も遅れてしまう。しょうがないので泣く泣くもう一個買った。が、数日前、なんということだ、直っているのに気がついた。
壊れた時計は、遅れるだけではなく、秒針が取れてしまっていた。また文字盤全体が左方向に歪んでしまった。が、渾身の力をふりしぼって動きつづけていた。時計の生命力とはすごいものだと感動することしきり。
生きているものを捨てるわけにもいかないので、仕事部屋の片隅に置いていた。で、あるとき、たわむれに針を現在時刻に合わせてみた。と、しばらく経っても正しい時刻を指している。翌日、やっぱり正しい時刻を指している。
その後現在に至るまで、ずっと正しい時刻を指しつづけている。いったい、いつの間に直ったのだらふ。時計というものの、生命力のみならず、自然治癒力とはすごいものだと感動することしきり。この世にはまだまだ科学の力では解明できない謎があることを知った。
フタを開けて閉めただけで直ったスピーカー。一年間放っておいたら動くようになった iPod。そしてこの懐中時計。ワタシのウチには、知らないうちに機械を直してくれる神様が宿っておられるのやもしれぬ。
とにかく、お気に入りの懐中時計は復活した。が、持ち主の不注意で生死の境をさまよう体験をさせられたんだから、この上持ち歩き用として働かせるのは気の毒な気もする。ということで、仕事部屋のメインの時計として、ゆったりと余生を送っていただくことにした。もちろん、電池が切れたら交換する。
この話はここで終わらない。
#326「陰 謀」で書いた懐中時計の電池を交換した時計屋は、先日から改装工事をしていた。で、きょうわかったのだが、改装工事が終わってみてびっくり。車のタイヤ屋に替わってしまっていた。ワタシの大切な時計の電池は、あの親切なご主人に替えてもらうことしかあり得ないと思っていたのに、どうすればいいのだらふ。¥1200の時計の電池を再び¥1300かけて交換する際には、取れてしまった秒針も修理してもらい、
「修理代は三千円?結構。この時計、実は千二百円で買った代物である。いかがか」
「あなたさまは最高の上客であらしゃいます」
てな会話を交わすのを楽しみにしていたのに。
が、ここまで生き延びたこの時計の運命が、このままついえるとは思えない。きっと電池が切れても、この機会に永遠の命を得て、地球文明の終末の後も動きつづけ、滅びた星の調査にやって来た異星人によって発見されるにちがいない。
「これを見ろ。文明は滅んだというのに、いまだに時を刻みつづけている」
「不憫な時計だ。人間が存在しない世界で、時刻にいったい何の意味があったというのだ」
「つまりこの時計は、われわれにそのことを教えるために存在しつづけていたんじゃないか」
「なるほど。時刻とは実体のないもの、人間が作り出したフィクションにすぎないということか」
「そうだ。そんなものにしばられている文明は、いずれこうして滅びるのだ」
「では、時刻というフィクションが存在したがゆえにもっとも得をした者とは、誰だ」
「言うまでもない。時計屋だ」
生きているものを捨てるわけにもいかないので、仕事部屋の片隅に置いていた。で、あるとき、たわむれに針を現在時刻に合わせてみた。と、しばらく経っても正しい時刻を指している。翌日、やっぱり正しい時刻を指している。
その後現在に至るまで、ずっと正しい時刻を指しつづけている。いったい、いつの間に直ったのだらふ。時計というものの、生命力のみならず、自然治癒力とはすごいものだと感動することしきり。この世にはまだまだ科学の力では解明できない謎があることを知った。
フタを開けて閉めただけで直ったスピーカー。一年間放っておいたら動くようになった iPod。そしてこの懐中時計。ワタシのウチには、知らないうちに機械を直してくれる神様が宿っておられるのやもしれぬ。
とにかく、お気に入りの懐中時計は復活した。が、持ち主の不注意で生死の境をさまよう体験をさせられたんだから、この上持ち歩き用として働かせるのは気の毒な気もする。ということで、仕事部屋のメインの時計として、ゆったりと余生を送っていただくことにした。もちろん、電池が切れたら交換する。
この話はここで終わらない。
#326「陰 謀」で書いた懐中時計の電池を交換した時計屋は、先日から改装工事をしていた。で、きょうわかったのだが、改装工事が終わってみてびっくり。車のタイヤ屋に替わってしまっていた。ワタシの大切な時計の電池は、あの親切なご主人に替えてもらうことしかあり得ないと思っていたのに、どうすればいいのだらふ。¥1200の時計の電池を再び¥1300かけて交換する際には、取れてしまった秒針も修理してもらい、
「修理代は三千円?結構。この時計、実は千二百円で買った代物である。いかがか」
「あなたさまは最高の上客であらしゃいます」
てな会話を交わすのを楽しみにしていたのに。
が、ここまで生き延びたこの時計の運命が、このままついえるとは思えない。きっと電池が切れても、この機会に永遠の命を得て、地球文明の終末の後も動きつづけ、滅びた星の調査にやって来た異星人によって発見されるにちがいない。
「これを見ろ。文明は滅んだというのに、いまだに時を刻みつづけている」
「不憫な時計だ。人間が存在しない世界で、時刻にいったい何の意味があったというのだ」
「つまりこの時計は、われわれにそのことを教えるために存在しつづけていたんじゃないか」
「なるほど。時刻とは実体のないもの、人間が作り出したフィクションにすぎないということか」
「そうだ。そんなものにしばられている文明は、いずれこうして滅びるのだ」
「では、時刻というフィクションが存在したがゆえにもっとも得をした者とは、誰だ」
「言うまでもない。時計屋だ」

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管理人について
HN:
巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)
コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「FAQ & Form」のページからどうぞ。
特 技/晴れ男であること。
オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。
2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
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