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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
どうぞ、ごゆっくり。
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#408 黄金の鳥と田舎者の鳥

 遅かれ早かれ、何処にも平等に春はやってくる。地方によって春の訪れを知らせる自然の風物詩は異なっている。桜の便りばかりが大々的に報じられる模様は、一種の文化の押しつけを感じさせる。それはともかく、そこここで春を告げる鳥たちの声は、それは美しく歓びに満ちている。そんなある鳥の、類いまれなる鳴き声の録音に成功した。

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 外国からのお客人のリクエストで、まことにひさしぶりに金閣寺を訪れた。ワタシたちは、金閣がそびえる大きな池の周囲をめぐる遊歩道の小砂利を踏み踏み歩を進めていた。鳥の飛び切り美しい歌声を聴いたのは、数えきれないほどの人が行き来する遊歩道でのことだった。

 池のほとりに立つ一本の大樹から、その声は聴こえてきた。道行く人の誰もが気にも留めずに通り過ぎてしまうからだろうか。わたしの声を聴いて、とばかりに、人々のすぐ頭上で、鳥は長い時間歌いつづけた。これがその歌声だ。(ケイタイで録音。カラスの声も混じっていておかしい)


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 このイカルという鳥は、日本の野鳥の中でも三本の指に入る美声の持ち主とワタシが認める鳥だ。その歌声は、極楽浄土に流れるメロディーを思わせる。春先から初夏まではウチのすぐそばまで何度もやってきて、その類いまれなる美声で歌ってくれるのだが、いまだにその姿を見たことはない。このときワタシは、イカルがいる木の直下まで近づいたが、やはりどうしても姿を見ることは叶わなかった。が、思いがけない場所で幻の鳥の声を録ることができて、気分は極楽浄土。

 鳥と言えば、金閣のてっぺんには黄金の鳳凰像が据え付けられている。永遠の命の象徴である鳳凰を、これまた永遠の象徴である黄金でくるんだこの像は、人間の永遠・不老不死への憧憬をこれ以上はない手法で表現した作品だと言えるのやもしれない。が、いつかは天に帰るイカルだからこそ、その歌声には生きる歓びがあふれているように思うし、限りある命を燃やして歌う歌が太古から連綿と受け継がれてきたことにこそ、生命の力強さを感じる。

 金閣寺は正しくは慈照寺という禅寺だ。ここを訪れる人々の大半は、禅と黄金というこれ以上ないミスマッチには目をつむり、人工の美の極致である金閣と庭園と、それらを造り上げた往時の権力の華やかな面だけに目を向けるように見える。そんな無知で不信心な人々の姿は、樹上のイカルの目にはどんな風に映っているんだろう。山から下りてきた田舎者のイカルの歌声こそは、母なる地球から届けられる、永遠の命についての教えのように思えたこの日だったとさ。

 きょうの気分は、こんなところ。(09.03.27 追加)
 ↓
 おしまい。 
09.03.23 記 

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管理人について

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巴だ リョウヘイ
性別:
非公開
職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

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特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

2018年、京都府下農村から大阪府下住宅街に移住。
今も雨乞い師見習い。
今も自然農見習い。
ノアのおとうちゃん。
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