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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
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#244 非日常的運動の効用

 両手の十本の指をそれぞれ独立して動かす運動が日常生活の中にどれほどあるか探してみた。それが、ほとんど思いつかない。ぱそこんのキーボードをたたくくらいだ。これだって、十本すべてを駆使しているかどうかあやしい。日本の伝統的な遊び「あやとり」などはいい線いっているし、毛糸の「指編み」もあやとりと似ている。が、思いつくものはそれくらいだ。そんなわけで、多くの楽器の演奏というものがいかに特殊な、非日常的な運動を要求されるものなのか、再認識できた。
 さて、シリーズ『オカリナ修得法?』も、いよいよ中締めとさせていただくことにした。今便では、右の人差し指の使い方と再びタンギングについて。

 右の人差し指は、ファ の穴を受け持つ。したがって、ソ より上の音を吹くときは、穴からはなれて宙に浮いた状態となる。これまで何度も書いたが、オカリナではハイポジションでの支え方にひと工夫もふた工夫もいる。そんなとき、空いている右の人差し指を使わない法はない。

 上の ミ や ファ のときに、どちらかの親指と左の小指、そして左の人差し指でうまく支えれば、この三本だけでしっかりとオカリナを支えられると書いてきた。が、これでは「まだこわい」と言う人も多いようだ。そんなとき、右の人差し指を補助的に使うと、オカリナはぐっと安定する。この指は、ファ の穴のすぐ左に自然に添える。
 ワタシは、上の ド あたりの音になると、反射的に右の人差し指をオカリナに添えていることがある。このときに気を付けるべき点は、右の手首がどうしても左方向に回り込んでしまい、ファ にもどるときに穴をはずすことがなきにしもあらずなことだ。右手は右方向に開いてしまわないように気をつけるべし、とこれまで強調してきたが、右の人差し指を支えに使う場合は逆の左方向に回り込まないように気をつける必要が出てくるのでヤヤコシイ。
 右の小指を支点にして他の指の動きを安定させることを思い出してほしい。

 右の人差し指をオカリナに添える手法は、あくまで補助的なものだと付け加えさせていただく。どちらかの親指と左の小指、そして左の人差し指でうまく支えれば、この三本だけでしっかりとオカリナを支えられるので、それでは不安だという場合などに試してみてほしい。

 さて、ここからはタンギングの話。

 #236と#237で、タンギングは「トー」とする、と書いた。その効果は、タンギングをした直後に舌が下の歯の裏に自然に置かれるので、舌が空気の通り道をふさぐことがなくなり、したがって音がかすれにくくなるというものだった。この「トー」的タンギング、もうひとつの効用があった。

 先週のあるレッスンでのこと。生徒さんのひとりによれば、「『トー』とすれば、下の ド や シ などの低い音が安定します」ということだ。これは大きな発見だと思う。「トー」とすれば、身体は自然にうしろに引っ張られるような動きになるので(これはごく微妙な動きだが、たいへん重要なポイント)低い音を吹く際に息を押さえやすくなるのだ。
 低い音は、どうしてもうわずりやすい。低い音をまっすぐで安定した正しいピッチで吹けている人は、アマチュアではほとんど見当たらない。それは、高い音と低い音を吹き分ける際に、身体の重心の移動がうまくできていないがゆえに息を押さえられないからで(低い音を吹くときの心理的問題=不安、思い込み等はさておき)、その原因のひとつに、おそらくタンギングの仕方があると思われる。先に書いた通り、「トゥー」という風に前へ前へと音を吹き出そうとすれば、知らず知らず身体の重心は上がり、舌は口の中で宙に浮き、その結果として低音はうわずり、高音はかすれやすくなるのだ。

「トー」的タンギングは、高い音だけではなく低い音に対しても絶大な効用があるというお話、おわり。

 アマチュアのオカリナの練習では、どうしても運指の方に意識が偏りすぎる傾向がある。が、実はいかに息をコントロールするかが美しい音色を生み出すための最大のハードルであると、つくづく思う。いずれにしても、指も息も、全身運動として捉えるべし、だろう。これらは一見非日常的な運動に見えるが、それらを身につけるプロセスには、重心の安定のさせかた、反復練習の方法など、日常生活の質を高めることに役立つ知恵が隠されている。

「『身体をうしろに引くように吹く』を会得できれば、オカリナの音は目に見えて美しく変貌しまっせ」を、このシリーズ第一部のまとめの言葉としてお届けさせていただきまする。

 このシリーズ、教則本にできそうだが、どこかにスポンサーいませんか?

 おしまい。 
 
踊り子草
踊り子草

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管理人について

HN:
巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
趣味:
ほしい。
自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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