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揚琴、オカリナ & インディアンフルート奏者がつづるいろいろばなし。
音楽、田舎暮らし、自然・環境、時事、ほかいろいろ。
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#239 こけしがオカリナを吹けば

 どんな木も、根元の方が先端の枝よりも太くなっている。強い風で枝があおられたときは、幹の根元がしっかりと支える。根元の方が細ければ、木はたちどころに根こそぎ倒れてしまうだろう。一見まっすぐに見える電柱も、実は先の方へいくほど少しずつ細くなっている。そして、電柱の地中に埋められている部分は想像よりずっと長く、地表に出ている部分の三分の一はある。

 自然体で立つことは、あらゆる武術の基本だそうだ。で、これがなかなかムズカシイ。自然に立ったつもりが、たいていは「不自然体」となっている。やや猫背で、あごが前に出ていて、左右の肩のどちらかがやや下がっていて、身体のどこかしらに緊張が見られるというのが多くの人の立ち姿だろう。多くの人にとっての自然体とは、生活習慣によって作られた不自然体なのだ。

 自然体とは、まず全身から無駄な力が抜けていて、背筋がまっすぐに伸び、あごは引かれ、胸は張られ、両腕は両足と一直線になる位置に添えられ、ひざはやわらかく、足は肩幅ほどに開かれ、そして体重は足の裏に均等にかかっている状態だ。この姿勢をとってみると、これがほんまに自然体かと思うほど苦しい。が、自然体をとったとき、身体の重心は自ずから安定している。
 あらゆる武術では、この姿勢をとったときの重心と力の配分を維持したままで、それぞれの構えに移る。それは非常にセンシティブな動きだ。と同時に、この体勢があらゆる状況にもっとも対応しやすいがゆえにこうするという、きわめて合理的な精神の裏付けがあるのだ。

 オカリナを立って演奏するときの姿勢の基本は、「吹きやすいように」構えるでよいと思う。ただ、不具合を発見すれば改めていくのがよいのはもちろんだ。オカリナを修得するにつれて小指や親指の位置が吹きやすさに大きく影響することを知って、自分のそれまでの指の置き方を矯正する。それと同じように、立ち方と構え方についても常に検討を加えて、どんな姿勢がほんとうに吹きやすいのかを研究することが良い音色につながるというわけだ。

 さて、上半身が伸びきった状態でブレスをすると、一向に息が入ってこない。で、すぐ先でまたブレスとなる。曲の末尾のなが〜い音がどうしても息がつづかない。「センセイ、この音、途中でブレスしたらダメですか」ダメです。

 ダメですというのは、気合いと根性で窒息死するまで息を吐くべしと言うのではない。ちょっと試しに、身体を楽にして、最後のその音を含む1フレーズだけ吹いてみておくれやす。・・・どうですか、楽に息がつづいたでしょうが。では、なぜ曲を通して吹くとつづかなくなるのか。

 つまりは、吹き続けるうちに上半身が伸びきってしまって、息をじゅうぶんに吸えない状態で演奏しているからなのだ。そこでワタシは言う。
「曲の冒頭の吹き始めの体勢を思い出してみ。楽に構えていて、息が吸いやすいでっしゃろ」
 つづけて処方箋を。
「曲の段落のたびに、曲の冒頭の体勢にもどるべし」
「ひざをやわらかく」
「どちらかの足をやや前に出して」
 曲の冒頭の体勢には、できるだけ早めに、かつゆるやかにもどるのがよい。ブレスの箇所まで来てしまってからではおそい。

 上半身が伸びきった状態とは、言い換えれば「こけし」みたいに重心が上がってしまっている状態なのだ。上半身のあらゆる部分に無駄な力が入り、指は動きにくく、ブレスはしにくい。こんな状態でいくら吹いても、いい音色が出せるはずはない。こんな状態でいくら練習をつづけても、課題はなかなか身につくまい。
「むずかしい、吹けない」と言う前に、自ら作り出した困難な状態を改めることからやってみてはいかがでせうか。常に重心を低く安定させることにもう少し注意をはらってみれば、必ずや音色は変わることでありませう。

 野外コンサートでこけしが並んでオカリナを吹いている。強い風が吹いて、みんな譜面台といっしょに倒れてしまってそれはよかった。

 おしまい。 
08.04.16 
花に群がる虫になりたい
花に集まる虫になりたい

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巴だ リョウヘイ
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職業:
揚琴・笛演奏屋 オカリナのセンセイ
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自己紹介:
 
演奏活動歴/揚琴、27年。オカリナ、16年。
活動範囲/全国の都心から山間地まで。
演奏場所/ホールからお座敷まで。オカリナは野外歓迎。
演奏目的/オープニングセレモニーから追悼演奏まで。
演奏形態/独奏から異業種間共演まで。
所属事務所/Magnolia Music(自分的オフィス)

コンタクト方法/上記のホームページ(HP)の「Contact」のページからどうぞ。

特 技/晴れ男であること。

オカリナ倶楽部 “夢見るガチョウ” 主宰。

京都府下農村在住。
雨乞い師見習い。
自然農見習い。
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